2015年09月10日

「ボビーZの気怠く優雅な人生」

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ドン・ウィンズロウ (Don Winslow) 著
東江 一紀 訳
角川書店 出版

 ドン・ウィンズロウの作品は何点か読んでいますが、これは、いままで読んだものとは毛色が違う気がします。あまりに都合が良すぎる偶然が重なったり、派手な撃ち合いが繰り広げられたり、小説なのに劇画を読んでいる雰囲気が味わえます。そうはいっても、人物描写などがやっぱり良くできていて、下手な劇画より楽しめます。

 タイトルのボビーZは、筋金入りのワルですが、この作品の主人公は、そのボビーZの身代わりになった男です。一面識もない人物の身代わりになるなど、そう簡単に事が運ぶわけがないのですが、あっさりと事は運んでしまいます。そしてボビーZが陥るべき窮地にあっさりと陥ってしまいます。しかも巧妙に仕組まれた罠に。

 かなり悲惨な状況設定ですが、悲壮感はなく、読んでいて楽しくなる展開です。都合が良すぎるとはいえ、派手なハッピーエンドも絵になっていました。

 ドン・ウィンズロウの作品は、それぞれ雰囲気が違っていて飽きないのですが、この劇画風もユーモアがスパイスのように効いていて、ほかとは違った味わいでした。
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