2017年02月08日

「日本語の作法」

20170208「日本語の作法」.png

外山 滋比古 著
日経BP社 出版

 ここでいう『作法』をどう説明すればいいのか迷うところですが、『おとなの嗜み』とでもいえばいいでしょうか。著者が常日頃見聞きしたなかから、すぐれた言葉遣い、いただけない無遠慮などを紹介しています。

 決まりきった型は、無難ではあるものの、ときには相手への配慮がいまひとつ欠けているといえなくもない状況に陥ることもあります。ここでは、年賀欠礼がとりあげられています。師走に入り、年賀状を書き終えてから届いた欠礼のあいさつには、「……当方の賀状は控えますが、いただくのはありがたくお受けします。にぎやかなことの好きだった故人も喜ぶでしょう」とあったそうです。すでに書いてしまった賀状のことを考えて気が重くなる相手を慮っての素敵なことばだと思います。

 それとは違うタイプの工夫ですが、日本におびただしい外来語が入ってきた明治時代、そのままの原語ではわからないから、細工は流流の訳語をこしらえたことをあげています。それが現代では、外国から入ってきた新しい概念やものごとをよく理解しないまま、カタカナ語で誤魔化し、それを恥ずかしいと思わないと批難しています。(著者は、自国にないものを借りてくることはしかたがないと認めたうえで、わからないことを誤魔化しても恥と思わない心根を嘆いています。)適当にカタカナ語にしてしまい、日々それらを使っているIT業界の一員として、耳が痛いご指摘です。

 作法というと、決まりごとのように聞こえますが、基本は『気遣うこころ』だと、あらためて認識しました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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