2017年10月23日

「謎解きの英文法 文の意味」

20171023「謎解きの英文法 文の意味」.png

久野 すすむ/高見 健一 著
くろしお出版 出版

 あまり期待せず軽い気持ちで借りたのですが、想像を遥かに超えて良かったです。こういう本で文法を学べば、文法に対する苦手意識を持つわたしのような学習者が減るのではないかと思ったほどです。

 特に勉強になったと思ったのは、I.二重目的語構文と II.受動態です。

I.二重目的語構文

 二重目的語は、以下の a. ような文です。
a. John taught Mary English.
b. John taught English to Mary.

 まず、驚いたのが、a. と b. では、b. のほうが基本だということです。以下 c. から d. は、どれも似ていますが、冠詞の違いに気をつけてみると、c. だけが旧情報 (the) よりあとに新情報 (a) 情報が出現します。よって、c. は自然な流れです。いっぽう、d. も e. も新情報より旧情報があとにきていますが、d. は基本形なので、自然な文になりますが、e. は不自然になります。あくまで、この一文で見た場合に限るので、前後の流れによって結果が変わることはあるそうです。

c. John gave the book to a girl. (自然)
d. John gave a book to the girl. (自然)
e. John gave a girl the book. (不自然)
 
 さらに、a. と b. には、ニュアンスの違いがあって、a. は、「ジョンがメアリーに英語を教えた」結果、メアリーが英語を学んで身につけたという含意があるのに対して、b. には、そのような含意がないそうです。いままで知らずに使っていました。

II.受動態

 受動態の項では、自然な受動態の文になるためには、以下の 1. と 2. (2-1.または2-2.) の条件を満たす必要があると説明されていました。

1. 能動形で他動詞となる文は、目的語の指示対象(つまり他動詞の目的語)が、動詞が表す動作の総体的ターゲットでなければならない。

『総体的ターゲット』ということばが、わたしには難しかったのですが、影響を受けて変化がもたらされるといった何かのターゲットになるという意味のようです。たとえば、ふつうの教授がひとり退職したことによって大学が受ける影響はないと考えるのが一般的なのでと、以下の (1) は、受動態として不自然になるそうです。

(1) The University of Hawaii was quit by Professor Smith in 1960.

2. 2-1.または2-2.の条件を満たさなければならない。

2-1. 受け身文は、その動詞が表わす動作が、その主語の指示対象の状態に変化をもたらしたことに関心を寄せる内容でなければならない。

(2-1) Today's mail was delivered by our regular mailman.

(2-1) は、昨日の郵便ではなく、今日の郵便に注目しているので、自然な受け身文です。

2-2. 受け身文は、話し手がその主語を性格づける内容でなければならない。

(2-2) Hamlet has been ready by millions of people all over the world.

(2-2) の場合、ハムレットが世界中の何百万人という人々に読まれるほどだという特徴を表わしているので、自然な受け身文です。

 二重目的語構文にしろ受動態にしろ、学生のころ、書き換え問題を散々させられた記憶がありますが、最終的には何もないところから自分の意見を書くことが求められるのですから、能動態を受動態にする手順、あるいはその逆の手順といったことより、こういった理論を学ぶべきだったと思います。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(英語/翻訳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]