2018年01月25日

「幸福な生活」

20180125「幸福な生活」.png

百田 尚樹 著
祥伝社 出版

 短篇が19篇収められていますが、例外なくどれも、あるルールに従っています。それは、最後の1行で、意外な結末がもたらされることです。そのルールをを知らずに読み始めたのですが、3篇か4篇読んだところで気づき、その途端、意外であるべき結末がある程度予測可能な結末になってしまいました。

 予測可能な理由は、結末に至るまでの説明にあるのだと思います。結末が意外に感じられるようにするために、結末と反対の印象を与えるべく、くどいといっていいほどの説明が加えられています。心情を描写するでもなく、それを裏づけるしぐさや表情を追うでもなく、結末の1行とそれまでのあいだに落差を作るための説明が続くと、結末を想像するのは、そう難しいことではなくなるようです。

 小説で、くどくどと説明されると、場面を思い描いたり、心のうちを察したり、そういう余地がなくなってしまい、あまり楽しめなくなってしまうものだと思いました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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