2018年04月10日

「ビミョウに異なる 類義の日本語」

20180410「類義の日本語」.png

北原 保雄 著
小学館 出版

 タイトルにあるようにビミョウに違うことばを比べているのですが、驚いたことがいくつかありました。

 まず、ワイシャツとカッターシャツ。これらが同じ衣類を指していることは、実物を見ていればわかることなのですが、驚いたのはカッターシャツの語源です。スポーツ用品メーカーの美津濃 (現ミズノ) の元社長水野利八氏が「勝った」をもじって作ったそうです。『カッター』が日本語だったなんて驚きです。

 次に、ウールとカシミヤ。ウールが羊毛、カシミヤがカシミヤ山羊の軟毛から作られ、そのカシミヤ山羊はインド北部のカシミール地方およびチベットが原産で、冬は寒くて乾燥し、夏は熱帯という温度差の激しい高度 1000m の山奥に生息するという説明はいいのですが、驚いたのはその量です。カシミヤ山羊からセーターを 1 枚編むのに約 4 頭分、コートだと約 30 頭分もの原毛が必要になるそうです。カシミヤのコートを見るたび、軽くて暖かいけれど、お高いと思っていた態度をあらためる気になりました。

 最後は、同じだと思っていたのに実は違っていたもの 2 組です。まずは、クッキーとビスケット。一般社団法人全国ビスケット協会によると、「日本では糖分や脂肪分の合計が 40% 以上含まれていて、手作り風の外観をもつものを、クッキーと呼んでもよいという決まりがあり、両者を区別して使う傾向がある」とのことです。クッキーと呼ぶ要件の存在を初めて知りました。次は、ぼた餅とおはぎ。春は『ぼた餅』、秋は『おはぎ』と呼ぶのですが、両者のあいだに小豆の収穫時期が挟まります。収穫したての小豆は皮ごと食べられるいっぽう、春になると皮が固くなって口当たりが悪くなります。その結果、秋は、粒々としたつぶ餡で萩の花のように仕立て、春は、皮を取り除いた滑らかなこし餡で牡丹の花のようにするようになったというわけです。

 どれもビミョウな違いのお話でした。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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