2020年02月21日

「医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者」

20200221「医療現場の行動経済学」.png

大竹 文雄/平井 啓 編著
東洋経済新報社 出版

 医療現場における行動経済学の研究が、実例を交えながら説明されています。研究はおもに 2 種類あり、意思決定上の行動経済学的なクセによって医療健康行動が、積極的に取られたり、逆に、阻まれたりしていることを明らかにする研究がひとつで、もうひとつは、人の行動経済学的なクセを利用して、積極的な医療健康行動を促進しようとする、ナッジの研究です。

 わたしは医療従事者ではないため、後者より前者の研究に興味があります。特に、QOL に影響する判断で後悔したくないので、自らのバイアスを事前に理解しておきたいと思いました。

 行動経済学的なクセの具体例としては、損失回避、現在バイアス、社会的選好 (利他性・互恵性・不平等回避)、サンクコスト・バイアス、平均への回帰、利用可能性ヒューリスティック、極端回避性、同調効果などです。

 このなかで自分がもっとも自分が囚われやすいだろうと思うのは、サンクコスト・バイアスです。寛解が見込めないこともあり得る、癌などの治療をやめるタイミングは難しいと思います。ここまで頑張ってきた(もうコストは取り戻せなくなっている)のだから、治療をやめたくないと考え、最後にやりたかったことを果たせずに亡くなった事例が紹介されています。

 最後にやりたいことは何か、それをするのに必要な体力と時間はどのくらいかをイメージしながら、サンクコストに囚われないよう注意したいと思いましたが、現実にそのときを迎えたら難しいかもしれません。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]