2008年01月22日

「Righteous Men」

20080122[RighteousMen].jpg

Sam Bourne 著
Harpercollins 出版

 「ダ・ヴィンチ・コード」の爆発的大ヒットの影響で出てきたともいわれる宗教関連ミステリです。

 主人公のWillはNew York Times記者。まだ駆け出しで、最初の殺人事件を担当するところから物語は始まります。その最初の事件は、Howardというポン引きが殺され、特に捜査されることもない、ありきたりの事件のはずでした。それが、Willが調べたところ、被害者のポン引きには意外な一面があったことがわかります。Letitiaという女性が、夫の保釈金を払うために身を売ろうとHowardを訪ねたところ、Howardは自分の寝具を売り払って金をつくり、Letitiaに渡したというのです。ポン引きという仕事をしながらも、被害者は正義の男(righteous man)だったのです。

 そして、Willが記事にした2件めの殺人事件の被害者も正義の男でした。財産もなく、寄付する金がないから、といって、自分の腎臓を見ず知らずの他人に提供するために手術を受けたという男です。

 物語は、正義の男がこれからも次々と殺されるという不思議な展開を予想させるのですが、そこでWillの妻Bethが誘拐されます。脅迫メールが送られてきたのですが、そこには警察の介入は許さないこと、金が目的ではないことが書かれていました。警察に届ければ妻の身の安全がおびやかされるため、Willは警察には届けません。ただ、目的もわからなければ、Bethが無事戻ってくるかどうかもわかりません。なんとかBethを助け出そうとするWillは友人の力を借り、脅迫メールの送信元を突きとめました。それは、アメリカで最も大きなユダヤ教徒コミュニティであるCrown Heights。

 こうして、Willが取材していた正義の男、ユダヤ教、妻のBethとつながってきます。

 なぜ、正義の男が次々と殺されるのか、なぜBethはユダヤ教徒に囚われているのか。謎が深まり、ぐいぐいとひっぱられてしまいます。

 謎とその謎ときは、とてもおもしろい本です。ただ、個人的には、もう少し人物描写があってもよかったと思います。感情移入できるような登場人物もなく、少し残念でした。
posted by 作楽 at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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