2008年01月31日

「Sammy Keyes And the Psycho Kitty Queen」

20080131[SammyKeyesAndThePsychoKittyQueen].jpg

Wendelin Van Draanen 著
Yearling Books 出版

 第1巻の「Sammy Keyes and the Hotel Thief」からずっと読んでいるSammy Keyesシリーズ。好奇心旺盛で聡明だけど、ちょっとやんちゃな13歳の女の子、Sammyが事件を解決するのですが、そのSammyが、なんともいいのです。13歳らしい無邪気さで暮らしているのですが、なにげない日常のできごとの中で、どんどん成長していって、人を許したり助けたり。いつもほろっとさせられてしまいます。

 そのシリーズの中でも、これはずば抜けておもしろいと思いました。今回のイベントはSammyの誕生日。Sammyは理由があって、母親と別居していて、祖母に預けられています。その祖母のもとに母親が誕生日前に訪れてきて、話があるというのです。また、ここもややこしいのですが、Sammyには父親がいませんし、誰が父親かも知らされていません。そして、Sammyは想像するのです。母親の話は父親のことに違いないと。しかし、結果は大ハズレでした。母親はこういうのです。あなたの14歳の誕生日は、実は13歳の誕生日だと。Sammyが幼稚園に上がる1年前、出生証明書を偽造し、1年早く幼稚園に入れたのだと。Sammyは激怒します。しかし、これは物語の始まりでしかありません。そのなんともツイていない、2度めの13歳を過ごさないといけないと知らされた日、Sammyは猫の死体をごみ捨て場で続けざまに見つけます。気になった彼女は友だちのHollyと一緒に、ごみ捨て場を探してあるき、全部で4匹の死骸を見つけます。

 なぜ猫がこんなにたくさん殺されていたのか。誰の犯行なのか。Sammyは今回も抜群の行動力と冴えた観察力で、事件を解決します。

 私が、この児童向けミステリシリーズが好きなのは、登場人物が個性豊かで、必ずしも「いい人」では括られない人がたくさんでてくること。そして、その人たちとぶつかりながらも、SammyはSammyなりに、その人たちを受け入れていること。実際の生活でも、いい人とばかり出会うわけにもいかないし、そういう人たちともそれなりにうまくやっていかないとことを考えると、リアリティがあって、子ども向けの本であることを忘れてしまうのです。

 そして、何より、そこにはSammyの成長があって微笑ましいのです。Sammyを祖母に預けて夢を実現しようとしている母親を理解しようと努力したり、自分をいじめてばかりいた隣人を許したり、放っておけばいいのに困っているホームレスの女の子を強引に助けたり。この著者の人の描き方がとても魅力的だと思うのです。できれば、ずっと続いて欲しいと思うシリーズですが、もう残りも見えてきて、とても残念です。
posted by 作楽 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Age:9-12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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