2006年11月27日

印刷博物館

 東京都文京区には印刷博物館があります。

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 その中には、印刷にまつわる本やハガキなどを販売するミュージアムショップがあり、ギネスに世界で最小と認定されたことがある0.95mm×0.95mmのマイクロブックが26250円で販売されています。2000年に100部印刷されたもので、内容は干支(十二支)が各ページにひとつずつ印刷されています。

 手のひらサイズの箱の中に、ひと回り小さなケースが入れられ、そのケースの真ん中に、小さな本を見るためのミニルーペが入っています。ミニルーペの左側に丸く作られたくぼみのひとつにマイクロブックは入っています。目をこらしてみても、それが本だとは見えません。そこに本があるハズと確信しながら、さらに気持ちを集中させて見ると、少し開き加減になった本が見えるような気がします。ため息が出るような小ささで、計り知れない技術力を感じます。
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 この豆本に関する資料を見つけました。このマイクロブックの小ささが一目瞭然です。。(pdf形式になっているので、Acrobat Readerがあれば、以下を開いてご覧になれます。)

 印刷技術による究極の小型本「豆本」

 この豆本お目当てで訪れた印刷図書館ですが、博物館の一角にある「印刷の家」で、活版印刷の体験ができることがわかり、参加させていただくことにしました。

 手順は以下のようになっています。印刷する紙は、その季節に合ったものを「印刷の家」が用意してくださっています。今回は、クリスマスシーズンなので、クリスマスの時期の挨拶状の上に、英語で(ローマ字で)好きな単語を2〜3語印刷できます。

 一番左のイラストが卓上印刷機で、実際に工業用で使われているものより小さいものです。上部の円盤部分にインキがついていて、ローラーがその上を転がったときにインクがローラーに付き、そのインキが活字の上にのる仕組みです。

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 私は何ごともなく印刷できたのですが、一緒に参加した私の友人が使った"O"(オー)の活字は上の部分が欠けていたみたいで、丸くなりませんでした。スタッフの方が欠けていない活字と入れ替えてくださったそうです。そう考えると、鉛で作られた活字のメンテナンスも試し刷りに遣う神経も、DTPとは比較になりません。

 ちなみに、活字は木版もかなり使われていたようです。以下のハガキをミュージアムショップで見つけました。画数の多い漢字は、彫るのが大変で、サイズを小さくする限界があったと想像できます。

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 昔はこうやって、ひとつひとつ手入れされた活字を拾って、ページを作り上げ、そのページを集めて本にしていたのかと思うと気が遠くなります。そして、英語と違い、膨大な数の漢字を使う日本語の印刷の難しさを痛感しました。

 私は今、コンピュータソフトウェアの仕事に関わっていますが、膨大な量の漢字を扱う難しさは、どこかしら通ずるものを感じます。

 貴重な体験をさせていただきました。
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2006年11月18日

オルゴール美術館

 那須高原に遊びに行ったので、オルゴール美術館に寄ってみました。

 たしかに、行く前は、「ついでだから寄ってみよう」といった感じだったのですが、帰るときには、「来てよかった!」になっていました。

 このオルゴール美術館は、東京の歯科医が個人でコツコツと蒐集されたものをもとに平成4年に開かれた美術館だそうです。オルゴールが好きで、戦前から集められていたと、美術館スタッフの方に聞きました。

 1800年代の後半以降に作られた、人の何倍もの大きさがあるオルゴールが何台も揃えられています。私が驚いたのは、これらのオルゴールがきちんと手入れされ、今も軽やかで愉しげな音を奏でることができる、ということです。1時間ごとに20分の演奏時間が設けられていて、スタッフの方の説明とともに、素敵な音と大きな仕掛けを楽しむことができます。

 色々な種類があるのですが、私が一番気に入ったのは、このJazz Band。驚かないように、というスタッフの注意が納得できるくらい大きな音で、まさしく、バンド。打楽器の音が耳に残ります。ドラムなども鳴り、私のオルゴールのイメージが打ち破られる音も、しっかり頭に残りました。

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 また、これは、上部で演奏し、下部で円盤を収納しているタイプ。すごいのは、コインを入れると、自動的に選択した曲目の円盤が上部に移動し、終わると、下部に自動的に戻されることです。

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 このように、コインを投入するタイプは、レストランなどの人が集まる場所に置かれ、実際に使われていたもののようです。

 円盤型と違って、このようなシリンダ型は音が密やかな感じです。これは、1つのシリンダ(円筒)で8曲演奏でき、下部の台部分に24台収納されていて、合計200曲ものバリエーションを楽しむことができます。

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 そのほか、日本の曲が入っている珍しいオルゴールなどもあり、見入ってしまいます。

 一緒に行った友人は、これらのオルゴールの仕掛けに魅入られ、家で楽しめるように紙製円盤で演奏される小型のオルゴールを買っていました。それでも、高さ40cm以上あり、私がイメージしていたオルゴールより、ずっと大きいものでした。この紙の円盤を取り替えると、違う曲目が楽しめます。

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 意外なところで、意外に面白いものに出合えて、愉しい日になりました。
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2006年08月09日

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行ってきました

 板橋区立美術館で開催されている「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に行ってきました。子供たちの夏休みの時期と重なっているためか、大盛況でした。

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 年に1度開催されるこの絵本原画コンクール。最近は日本人の活躍が目立っているそうです。2006年度は、選ばれた92人の作家のうち、27人が日本人でした。割合としては3割くらいになります。

 出展作品は5点で1組です。5枚の絵がひとつのお話のように展開していく作品もあれば、動物シリーズや韓国文化シリーズのように関連性のある絵で5枚構成されているケースもあります。お話のようになっているといっても、1枚当たりの説明は10文字から多くても20文字くらいまでです。そのため、絵を見ながら色々な想像が膨らみ、私はストーリー仕立てのほうに面白みを感じました。

 ストーリーの中で気になった作品が1点ありました。おもちゃの兵隊さんが下水溝に落ち、どぶねずみに遭ったりしながら下水道を流れていきます。下水道の終点では、滝のように海に流れ落ちる下水と一緒に真っ逆さまに落ちるおもちゃの兵隊さん。とうとう、海の中では大きな魚に出会います。この物語、前にも見たようなとても懐かしい記憶があるのですが、童話か何かだったのでしょうか。喉に刺さった小骨のように気になりました。

 どの作品も選ばれただけあって、素晴らしいものだと思いますが、ひときわ目立つのがその細かさ。細部にまで徹底的にこだわった作品がとても多く、目を惹きました。その中でも毛並みが妙にリアルだったのが、猫とネズミ。猫の目は生きているようで、毛並みは触ったときの感触が指に伝わってくるようでした。このシリーズで喉に刺さった小骨のように気になったのは、タイトル。猫のタイトルは、「猫」。ネズミのタイトルは、「水玉」。どうしてなんでしょう?

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 絵本を子供だけのものにしておくのは、もったいない!私たち大人もどんどん楽しまなくては。
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2006年08月05日

美篶堂のワークショップ(和装本/四つ目綴じ)に行ってきました

 「かみさま」に紹介されていた美篶堂(Misuzudo)で開催されているワークショップに参加してきました。

 美篶堂は、本で紹介されている上、Webサイトを見るとギャラリーもあるようなので、かなり大きなお店を想像していたのですが、ひっそりとした小さなお店でした。

 ワークショップは、和紙を使うもの、洋紙を使うもの、文庫本を上製本に仕上げるもの、とバラエティ豊かなのですが、最初は和紙を四つ目綴じという方法で綴じる2時間のコースを選びました。

 選べるのは、まず、表紙と裏表紙。普通は揃えるものですが、私は、自分が使うものなので、表紙と裏表紙を色違いにしてみました。次に、中の本文("ほんぶん"ではなく、"ほんもん"と呼ぶそうです)。裁断された紙が2色、淡いピンクと生成り色が用意されていました。好きな方を選べるのですが、私は両方の色を半分ずつ使い、ピンクと生成りを交互に交ぜ合わせることにしました。

 大まかな流れは以下のとおりです。

 本文の和紙をすべて半分に折ります。
      ↓
 折り目側の膨らみを平らにします。
      ↓
 2箇所穴を開けて、仮留めとしてこよりを入れます。
      ↓
 背表紙側の角2箇所を1cm程度紙でくるみます。
      ↓
 芯紙を入れ、表紙を作ります。
      ↓
 表紙の和紙を芯紙に糊付けします。(背の反対側のみ。)
      ↓
 背から13mmくらいの位置に4箇所、穴を開けます。
      ↓
 絹糸で綴じます。

 そうして出来上がったのが、これ。

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 この綴じ紐の通る穴が4箇所あるため、四つ目綴じというようです。この紐の最初と最期は糊でちゃんと固定されているのですが、昔は、糊を使わず紐だけで止めていたため、使っているうちにほどけたそうです。

 今回思ったのは、紐で綴じるときに頑張って力を入れ、もっとしっかり締めたほうがよかったということです。きつく締められたほうがいいそうです。まぁ、最初から完璧を目指すのは無理なので、回数を重ね、コツがつかめると、きちんと締められるようになるそうです。

 使っていて、途中のページが要らなくなったり、他のページと差し替えたくなったりすれば、紐を解いて、また違う色の紐で綴じてみるのもいいかもしれません。

 次は、洋紙での製本に挑戦したいと思います。
posted by 作楽 at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団の公演で大笑いしてしまいました

 先日読んだ「ジョーク力養成講座」によると、ジョークに必要なのは、(ちょっと大胆な要約ですが)ズレとそのズレを楽しむ余裕ということでした。

 そのズレにも色々な種類があり、そのズレ具合も色々です。

 今日見てきたトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団のショーはパーフォーマンス界の最高ジョーク。ズレ具合はケタ外れに大きく、言葉が要らないもの。私が想像するバレエは、クラッシック・バレエで、それを鑑賞するというのは敷居が高く、誰かに強引に連れて行かれなければ遠慮したいのが本音。そのバレエをパロディにしてしまい、しかも見た感じがすごくごつい男性が可憐な(?)衣装で踊るのです。そのスキルレベルはドが付く素人の私が見てもすごいもの。なのに、おもしろいのです。

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 舞台の上では、起こり得ないことが次々と起こります。ひと際わかりやすく笑ってしまうのが、群舞。

 ひとりだけ、色の違う衣装を間違って着てきてしまう。ひとりだけ、舞台に出てくるのが遅れて、舞台から出てくるよう合図を送られてしまう。4人と4人に左右に分かれないといけないのに、ひとりが間違えて3人と5人になってしまい、それに気付いた途端大急ぎで反対のグループに駆け込んでしまう。

 ソロでだって負けていません。拍手をするよう手で合図をしてきます。拍手が少なければ、もっともっとと手の合図が大きくなります。舞台を華麗に舞っている間に息切れしてしまい、ヨロヨロなんていうのはザラ。

 私が一番笑ったのは、白鳥の湖のエンディング。最後にプリマ(?)が花束を受け取り、緞帳が下ります。しばらくして、緞帳が再度上がったとき、舞台上の全員でプリマの花束を奪い合っているところがチラリ。舞台上のみんなが上がった緞帳に気付いたとき、慌てて取り繕う姿が最高に面白いのです。

 今日、一緒に舞台を見た友達は仕事疲れでとても眠そうでした。「眠っていたら、起こして欲しい?」と事前に聞いたところ、「悲しい話は、あとであらすじを聞いたら内容がわかるけど、おもしろさはその場で見ていなければ話を聞いても笑えない。」という返事。たしかにその通り。おもしろさは簡単には伝わらない。

 私の拙い文章では、せっかくのバレエ団のおもしろさの欠片も、信じられないくらい高い演技力も伝えられないのでしょうけれど、とても面白かったので、思い出し笑いをしながら、書いてしまいました。
posted by 作楽 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする