2008年03月18日

「The Stowaway Solution (On the Run 4)」

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Gordon Korman 著
Scholastic Paperbacks 出版

 「Chasing The Falconers (On the Run)」「The Fugitive Factor (On the Run 2)」「Now You See Them, Now You Don't (On the Run 3)」ときて、4冊めです。15歳の少年と11歳の妹、そこまで頑張るか!?という展開で進みます。

 ふたりは、タイトルにあるように、船で密航するという大胆な逃走を試みます。Los Angelesの港から石油を運ぶ船で、Seattleまで逃げようというのです。前巻で、Aiden(兄)とMeg(妹)の逮捕に繋がる情報に対し、2万5千ドルの賞金がかけられてから、ふたりの逃走路は、より簡単にFBIに把握されるようになっています。道路や鉄道が封鎖されているのなら、今度は海を逃走路に利用しようというのです。

 しかし、船上で不正乗船がばれてしまい、救命ボートで嵐の海に降りることになってしまいます。そして、嵐の中、ふたりは離れ離れになってしまいます。

 そんな状況でも、ふたりは諦めるということを知りません。父親と母親の無実を信じ続け、潔白を証明することだけを考えて、FBIから逃げ、手がかりを追います。おとなが主人公なら、こうはならないのでしょうか。

 読む進めるごとに、「そこまでするか!?」と思う機会が多くなってきたシリーズです。
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2008年03月10日

「Now You See Them, Now You Don't (On the Run 3)」

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Gordon Korman 著
Scholastic Paperbacks 出版

 「Chasing The Falconers (On the Run)」「The Fugitive Factor (On the Run 2)」に続いての3巻め。とうとう、探していたCIAの捜査官のFrank Lindenauerの役回りが見えてきて、「物語が進んだ」という気がします。おとなが読むと、ぼんやりではあるもののFrankの輪郭は最初から見えているのですが、やっぱり実際に見えてくると、どういう終わり方をするのか、気になってきました。

 もうひとつ気になったのは、兄と妹のお互いを見る目。もちろん、物語が進まないといけないわけですから、色々な事件が起こるわけですが、その対処が兄と妹でまったく違い、ふたりの性格の違いや、相手に対する評価を読んでいくのは興味深いです。たぶん、私自身に性格が正反対な妹がいるからでしょう。

 今回も話の主流から離れた事件が起こりました。それは、International Crewという少年ギャングたちと関わりあい。最初は、リーダーのBoという少年が、敵から殺されそうになるところを、偶然目にしたAidenが助けてしまうところから始まります。次に、それに恩義を感じたBoがAidenとMegの力になろうとします。そして、実際に危ないところをBoに助けられることになったふたりは、意外なかたちで、Boを守ります。そういう手を使う?と、感心してしまいました。

 Frankがどういうかたちで終わりを迎えるのか、兄と妹にまんまと逃げられ続けたFBI捜査官のEmmanuel Harrisが、間違ってAidenとMegの両親を逮捕したことに対して、どういう結着がつくのか、終わり方の想像がつかない分、今まで以上に先が気になってきました。
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2008年02月26日

「Charlie and the Chocolate Factory」

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Roald Dahl 著
Puffin 出版

 Roald Dahlを絶賛する知人がいるのですが、納得してしまいました。映画に取り上げられるのも納得してしまうくらいおもしろいです。

 本を読む前に私が知っていたあらすじはこの程度です。チャーリーという男の子が、チョコレートに入っているゴールデン・チケットを手に入れ、すごいチョコレート工場の見学に行くというもの。

 本を読むと、このチャーリーは、並大抵の貧乏ではありません。母方の祖父母と父方の祖父母と両親と暮らしているのですが、その家にはベッドがひとつしかありません。祖父母たち4人はそこで寝たきりで、母親はその面倒を見るために家にいます。父親が唯一の稼ぎ手なのですが、それも工場の流れ作業で、家族が十分に食べることもできません。だから、チャーリーがチョコレートを食べられるのは1年に1度だけ。そのチョコレートも最初は眺めるだけど、これ以上我慢できないというところまできたら、ほんのひとかけ食べ、次の日もほんのひとかけ食べ、とゆっくりゆっくり味わうのです。

 そして、そのチャーリーの誕生日が目前に迫った日、チョコレート工場のオーナー、Willy Wonkaがゴールデン・チケットのことを発表します。昔、チョコレートやガムのレシピをスパイに盗まれて以降、誰も入れたことがない工場に子どもを5人だけ招待するための、ゴールデン・チケットです。

 ああ、チャーリーの誕生日プレゼントのチョコレートに、ゴールデン・チケットが入っているのか!と内心盛り上がったのですが、誕生日プレゼントにはチケットは入っていませんでした。

 いつチケットが当たるのか、やきもきしながら読み進めるのですが、さらにやきもきするのが、工場に見学に行ってから。次はどんなお菓子を作っているところに行くのか、子どもたちは何をしでかすのか、はらはらしながらも、突拍子もないことが次々と起こって、一気に読めてしまいます。

 エキセントリックなWilly Wonkaをジョニー・デップがどう演じているのか、突拍子もないお菓子に工場の設備がどう映像化されているのか、読み終えたら、映画も見てみたくなりました。
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2008年02月19日

「Sammy Keyes and the Dead Giveaway (Sammy Keyes)」

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Wendelin Van Draanen 著
Yearling Books 出版

 私のお気に入りのSammy Keyesシリーズは、主人公のSammyが7年生(中学1年生)になったところで始まっていますが、今回のこの「Sammy Keyes and the Dead Giveaway」で、Sammyは7年生を終えます。それだけに、内容はSammyの成長を感じさせるものでした。

 なんといっても、探偵としての一番のスケールアップは、ほんものの殺人事件が関わっていること。いつもほろっとさせられるSammy Keyesシリーズだけに、凶悪犯人がでてくるわけではありませんが、それでもやっぱり、殺人は殺人です。

 そして、女の子としての一番のできごとは、初デート。といっても、ふたりきりのロマンチックなデートではなく、昔でいうグループ交際みたいな感じです。それでも、初デートは、女の子にとってビッグイベント以外のなにものでもありません。

 ほかにも、Sammyが政治に少し関心をもつようになったことや、コミュニティをつくりあげていくのは自分たちだという意識をもつようになった点では、おとなの私が逆に見習わないといけないと思ってしまうくらいです。"土地収用権"などという難しいことばもでてくるのですが、行政の決定にしたがって、立ち退きを迫られる人びとは珍しくもなんともないことを考えると、やはり10代のころから関心をもつことはいいことなのでしょう。

 このSammy Keyesシリーズではいつも思うのですが、Sammyが謎ときとして関わる事件と、Sammyの日常でのできごとがいつもうまく絡まっています。私から見た今回のキーワードは、"自由"。本当の自由とは何か?

 Sammyは今回、学校の先生が大切にしているインコを死なせてしまいます。つがいで飼われていたインコですが、ある日偶然Sammyが朝早く登校した日に、教室に置いてある鳥かごから1羽だけ逃げ出してしまいます。教室に入ってそれに気づいたSammyは教室の外にインコがでないように、ドアを閉めようとしますが、重いドアでなかなか閉まりません。それを力ずくで閉めるSammy。やっと閉め終えたSammyは、インコがドアに挟まって死んでいるのに気づきます。死んだインコを手にして呆然とするSammy。そこに、宿敵のHeatherが教室に向かってきます。何を言われるかと、こわくなったSammyは隠れます。そしてその後、インコがいなくなっていることに気づいた先生は、朝一番に登校してきたと思われるHeatherがインコをどうにかしたと決めつけてしまいます。本当のことを知っているのは、Sammyだけ。Sammyは事実を話さなければ、と思いながら、ためらい苦しみます。

 その苦しみから解放されたSammyが味わうのが本当の自由。そして、ほかにも、本当の自由を手にするひとがいます。

 今回も色々なできごとが次から次へと起こり、いろいろ考えさせられたSammy Keyesシリーズでした。
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2008年01月31日

「Sammy Keyes And the Psycho Kitty Queen」

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Wendelin Van Draanen 著
Yearling Books 出版

 第1巻の「Sammy Keyes and the Hotel Thief」からずっと読んでいるSammy Keyesシリーズ。好奇心旺盛で聡明だけど、ちょっとやんちゃな13歳の女の子、Sammyが事件を解決するのですが、そのSammyが、なんともいいのです。13歳らしい無邪気さで暮らしているのですが、なにげない日常のできごとの中で、どんどん成長していって、人を許したり助けたり。いつもほろっとさせられてしまいます。

 そのシリーズの中でも、これはずば抜けておもしろいと思いました。今回のイベントはSammyの誕生日。Sammyは理由があって、母親と別居していて、祖母に預けられています。その祖母のもとに母親が誕生日前に訪れてきて、話があるというのです。また、ここもややこしいのですが、Sammyには父親がいませんし、誰が父親かも知らされていません。そして、Sammyは想像するのです。母親の話は父親のことに違いないと。しかし、結果は大ハズレでした。母親はこういうのです。あなたの14歳の誕生日は、実は13歳の誕生日だと。Sammyが幼稚園に上がる1年前、出生証明書を偽造し、1年早く幼稚園に入れたのだと。Sammyは激怒します。しかし、これは物語の始まりでしかありません。そのなんともツイていない、2度めの13歳を過ごさないといけないと知らされた日、Sammyは猫の死体をごみ捨て場で続けざまに見つけます。気になった彼女は友だちのHollyと一緒に、ごみ捨て場を探してあるき、全部で4匹の死骸を見つけます。

 なぜ猫がこんなにたくさん殺されていたのか。誰の犯行なのか。Sammyは今回も抜群の行動力と冴えた観察力で、事件を解決します。

 私が、この児童向けミステリシリーズが好きなのは、登場人物が個性豊かで、必ずしも「いい人」では括られない人がたくさんでてくること。そして、その人たちとぶつかりながらも、SammyはSammyなりに、その人たちを受け入れていること。実際の生活でも、いい人とばかり出会うわけにもいかないし、そういう人たちともそれなりにうまくやっていかないとことを考えると、リアリティがあって、子ども向けの本であることを忘れてしまうのです。

 そして、何より、そこにはSammyの成長があって微笑ましいのです。Sammyを祖母に預けて夢を実現しようとしている母親を理解しようと努力したり、自分をいじめてばかりいた隣人を許したり、放っておけばいいのに困っているホームレスの女の子を強引に助けたり。この著者の人の描き方がとても魅力的だと思うのです。できれば、ずっと続いて欲しいと思うシリーズですが、もう残りも見えてきて、とても残念です。
posted by 作楽 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Age:9-12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする