2014年11月28日

「USAカニバケツ:超大国の三面記事的真実」

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町山 智浩 著
筑摩書房 出版

知ってても偉くないUSA語録」「教科書に載ってないUSA語録」「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか」に続いて、同じ著者の古い本を読んでみました。

 タブロイド紙やテレビのバラエティ番組など身近な話題が多いのは、いままで読んだものと同じです。今回もっとも印象に残ったのは、フットボール選手です。

 アメリカ人がフットボールに熱中する度合いは相当なものだというのは、「冬そして夜」という小説を読んだときにも驚いたのですが、今回も驚きました。有名なフットボール選手なら何でも許されるくらいの勢いでちやほやされているようです。叱られたり、周囲に気を配ったりすることもなく、良識のない大人になりやすいという、考え方によっては悲惨な環境におかれているようです。日本において、これほどちやほやされる人たちは、どういった分野の人かと考えてみましたが、思いつけませんでした。

 1990年代終わりから2000年代初めが初出の記事がまとめられた本なので、さすがに少し古さを感じました。もうこれ以上遡って読む必要はないかなと思いました。
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2014年11月14日

「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか」

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町山 智弘 著
文藝春秋 出版

教科書に載ってないUSA語録」や「知ってても偉くないUSA語録」がおもしろかったので、同じ著者という理由だけで読んでみました。

 日本でワイドショーと呼ばれている番組でとりあげられるような些かショッキングな事件とその背景の説明だったり、人気のテレビ番組の紹介だったり、著者自身の周辺で起きたできごとだったり、著者が得意とする分野である映画の話だったり、日本人から見て意外に感じられるであろうアメリカの一面がとりあげられています。

 わたしがわかりづらいと思った話題は、人種差別、宗教と政治のかかわり、格差社会です。

 たとえば、人種間の垣根がわかったようなわからないような気になる番組が紹介されていました。

 両親と子という三人家族が二組登場します。一方は黒人家族で、もう一方は白人家族ですが、その家族たちが特殊メイクを経て、入れ替わります。つまり、白人家族は黒人家族になりすまして、黒人たちと交流を持ちます。逆に、黒人家族は白人家族になりすまして、白人たちと交流を持ちます。どちらも周囲を欺いている点は同じなのですが、双方が同じだけ苦しむわけではないようです。差別が根底にあるからなのでしょうけれど、感情面で理解するのは難しいと感じました。

 アメリカの会社に勤めていながら、アメリカという国も文化もわかっていないのだと、複雑な気分になりました。
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2014年10月10日

「教科書に載ってないUSA語録」

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町山 智浩 著
文藝春秋 出版

「知ってても偉くないUSA語録」がおもしろかったので、その前に出版されていたこちらも読んでみました。

 話題への切り込み方というか批評的視点というか何かが、「知ってても偉くないUSA語録」に比べて物足りない気がしたのですが、全体的に1つの話題に対し割かれている紙幅が少ないため、話題を掘りさげられない事情があったのかもしれません。

 ただ身近な問題を通してアメリカという国を見られるので、こちらもとても理解しやすい内容になっています。たとえば格差社会と漠然と指摘されてもわかりにくいのですが、教育水準が高いとされる大学に進学するのがどれほど大変か(授業料がどれほど高いか)を大学卒業時に学生たちが抱える借金の平均額をもとに語られると、自分がアメリカに生まれていたら、その一線を越えてあがることができたのか疑問に思いました。

 この著者の本をもう少し読んでみたくなりました。
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2014年09月29日

「知ってても偉くないUSA語録」

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町山 智浩 著
文藝春秋 出版

 アメリカに住まう普通の人々の価値観を垣間見ることができた気がします。わたしは、アメリカに本社があるIT企業に勤めている関係で、アメリカ人を思うとき、大学を出て、郊外の戸建てに住み、16歳以上の家族の人数と同じだけ車を所有し、家族で海外旅行を楽しむ人たちを思い浮かべます。

 でもこの本では、そういう人たちよりもう少し幅の広い層の人たちが登場します。しかも書いているのが日本で生まれ育ってアメリカに渡った方なので、日本との比較に共感しながら読めました。

 とりわけ過疎化地域の再生や出生率低下に対する危機感のなさなどの話題は、インパクトがありました。

 かつて自動車産業で栄えたデトロイトは、工場閉鎖などが続いた結果、過疎化が進み、警察官を呼んでも平均58分待たなければならないほどの財政難に陥り、再生を余儀なくされました。日本にも破綻した行政はありますが、いったん大都市になりながら、ここまで急激に過疎が進んだ例はないような気がします。デトロイトを象徴するモノのチョイスが印象的でした。

 日本と似て非なる例のもうひとつは、出生率低下に対する捉え方です。日本ほど極端ではありませんが、アメリカでも出生率が低下しつつあります。その状況下においても、子供のいない生活を選ぶ自由に対しアメリカ人は肯定的です。子供を産んでいない未婚の女性に対してなら、どんな野次を飛ばしてもいいと考える議員が闊歩する日本と比べてしまい、いろいろ考えさせられました。
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2014年08月04日

「文・堺雅人」

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堺 雅人 著
文藝春秋 出版

 俳優である著者が多方面に才能ある方なのだと知って、羨ましくなりました。舞台や映画で別人を演じきる才能だけでなく、ひとの内面を言葉にして伝える才能もおありのようです。

 進行中の仕事のはなしを中心に、ふだんからあるいは昔から気になっていることがらへと移っていったり、手垢のついていないご自身のコトバで日々感じたことをあらわしたり、全体的にユル〜い印象を受けても、よく練られた文章のような気がしてならないエッセイでした。

 インタビューがさしはさまれていますが、本来のエッセイの部分は、漢字ひと文字のタイトルが掲げられています。通常ならあとがきにあたる部分は、「終」というタイトルで、そこには、月一回原稿用紙4枚の連載なのに、毎月2週間から3週間もの期間をかけて、エッセイに取り組んでこられたとあります。本のおわりになって、やはり練りに練ったものなのねと妙に納得できました。

 いちばん共感できたのは、品とは何かという考察です。テレビドラマ「篤姫」で、徳川家定を演じたとき、「いきいきと、でも、品はよく」するよう注文されたとき、品とは何かを長い期間にわたって考えられたようです。わたしも「品格」というものについて頻繁に考えてきたので、そのプロセスの似た部分に共感できましたが、わたしならそうわかりやすく説明できなかったと思うと、その表現力が羨ましくなりました。
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