2016年11月17日

「料理でわかるヨーロッパ各国気質」

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片野 優/須貝 典子 著
実務教育出版 出版

 国民の気質と料理の関係性に着目して、ヨーロッパ各国を紹介する本で、次の国が掲載されています。

 1. イギリス 2. フランス 3. オランダ 4. ベルギー 5. ドイツ 6. オーストリア 7. スイス 8. ギリシャ 9. イタリア 10. スペイン 11. ノルウェー 12. スウェーデン 13. ロシア 14. チェコ 15. ハンガリー 16. セルビア 17. クロアチア 18. ボスニア・ヘルツェゴビナ 19. マケドニア 20. トルコ

 地図上でココと指差すのが難しいほど馴染みのない国もありますが、なかには、聞きかじった話とここで解説されている内容が、つながるような国(オランダ、イタリア、スペインなど)もあります。

 オランダの場合、英語に "go Dutch" というフレーズに登場しますが、自分が飲食したぶんだけを自分で支払うこの方式は、日本でもランチのとき日常的に行なわれている方法です。しかしなぜ、この表現にオランダが選ばれたのでしょうか。その答えと受けとれるようなことが紹介されていました。

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オランダでは午前10〜11時と午後7〜8時の1日2回、コフィテイトと呼ばれるコーヒータイムがあり、このときコーヒーと一緒にビスケットを出す習慣がある。ホストがビスケットの缶のフタを開けて回すと、ゲストは順番に1枚ずつ取る。このとき間違っても2枚取ってはいけない。1人につきビスケット1枚、これはオランダ人が長い歳月をかけて培った暗黙のルールで、ここにオランダ人の心が凝縮されている。他方、カトリックが主流のオランダ南部では、2枚以上食べてもとがめられることはない。
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 南部以外のオランダでは、2枚目のビスケットが咎められるようです。ほかのどこの国でもなく、"go Dutch" となったのが頷ける気がします。

 次。イタリアの場合、イギリス人が "Oh, my God"(「おお、神よ」)と発するであろう場面で、イタリア人は "Mammma Mia" (この本では、「ああ、おっかさん」と訳されています) と叫んでしまうと説明され、溺愛されて育った息子は概してマザコンであり、奥さんの前でも「マンマのパスタが一番美味しい!」と、のたまうとか。

 最後。スペインの場合、冷製スープの「ガスパッチョ」のレシピが紹介されたあと、次のように続きます。

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スペインでガスパッチョが重宝がられるのは、別の理由がある。仲間意識が強く、集団行動をとるのが大好きなスペイン人は、レストランで食事をする際も大勢でわいわいやりたがる。しかし、時間にルーズな人々は三々五々とやって来るので、全員がテーブルに着くのはそう簡単なことではない。さんざん待たされた挙句、料理まで待たされたのではやり切れない。そこでスープは、すぐに出せるガスパッチョが尊ばれる。とりわけ国民料理のパエリアなどは、素材だけそろえておけば、あとは火にかけて20分間待つだけでいい。概して、スペイン料理に簡単調理が多いのは、スペイン人気質と無関係ではない。
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 似たような視点で、アジア各国の料理と国民性を紐づけた本もあれば面白いと思います。
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2016年07月29日

「怖い絵」

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中野 京子 著
角川書店 出版

 表紙は、ラ・トゥールの『いかさま師』の一部分です。見る人に強烈な印象を残す、胡散臭い人たちの目つきのせいで、この作品が「怖い絵」に挙げられたのは、納得がいきます。

 そのいっぽうで「怖い絵」に挙げられたのが意外な見慣れた絵もあります。たとえば、ドガの『舞台の踊り子』。『エトワール』とも呼ばれているこの絵は、舞台の袖が見えているものの充分に華やかさがあって、怖い絵などと思ったことはありませんでした。それが、著者による解説を読むと、この絵が違って見えてきます。異なる文化や時代のものを鑑賞するときは、その背景を知っているかどうかで印象が違ってくるのだと、あらためて思いました。

 はじめて知った絵もありましたが、いかにもこれは怖い絵だと直感的に思う絵のグループと一見平和に見える絵のグループからそれぞれ3点ずつ選んでみました。

<いかにも怖い絵>
1. 『我が子を喰らうサトゥルヌス』(ゴヤ) 
  構図などこの絵には関係ないと思わせる圧倒的迫力です。
2. 『イワン雷帝とその息子』(レーピン)
  狂気が伝わってきます。
3. 『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』(アルテミジア・ジェンティレスキ)
  並々ならぬ覚悟と気迫が感じられます。

<一見平和な絵>
1. 『グラハム家の子どもたち』(ホガース)
  裕福な家庭で大切に育てられている可愛い子たちなのに……。
2. 『ガニュメデスの誘拐』(コレッジョ)
  このあとに待ち受けていることを知っているのか……。
3. 『舞台の踊り子』(ドガ)
  現代のバレエとのギャップが大きくて……。
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2010年09月10日

「アメリカ文化史入門―植民地時代から現代まで」

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亀井 俊介 編
昭和堂 出版

 入植者が西へ西へと向かった時代のことを知りたくてこの本を手にしました。幅広くトピックをひろい、アメリカという国の成り立ちを俯瞰できるよう構成されています。アメリカ文化を知るための最初の一冊としてはお勧めです。

 以下が目次です。

第1章 植民地の文化の形成
第2章 近代市民社会の形成
第3章 西部への道(トレイル)
第4章 歌声ひびく新大陸
第5章 金めっき時代
第6章 白亜の街の悪魔
第7章 ハリウッド映画、覇権の成立
第8章 性表現の規制と解放
第9章 新聞・雑誌の銀河系
第10章 メディアの文化革命
第11章 女性の文化
第12章 多文化主義と混血化
第13章 「アメリカの世紀」とその後

 わたしが知りたかった西部開拓時代のことは第3章でとりあげられています。よく耳にする「多文化主義」という概念やことばが意外と新しく1990年代に広まったと知った第12章は、常に人種問題を抱えるアメリカを知るうえで外せないことが述べられています。また、日本よりも男女平等という概念が広まっているイメージを持っていたのですが、こちらも意外と歴史が浅いことを第11章で知りました。

 章ごとに参考文献が記載されているので、もっと深く知りたい分野があれば、参考になると思います。アメリカ文化を広く浅く紹介する本というのは、ありそうで意外に見つからなかったので、価値ある本だと思います。
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2010年01月15日

「図説 世界シンボル事典」

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Hans Biedermann 著
藤代 幸一/伊藤 直子/宮本 絢子/宮内 伸子 訳
八坂書房 出版

 聖書や神話にあまり馴染みがないので、それらに関連して特定のものや動物に特別な意味があっても、わかりません。そういうときは、こういうシンボル事典が使えるそうです。図書館員の方に教えていただきました。

 ページを繰りながら思わぬ発見に出会うということもできますし、海外の小説などで納得できないようなときのリファレンスとしても使えます。

 巻末には図版もありますし、インデックスが充実しているので、リファレンスとしてよくできていると思います。この事典を知り、シンボル事典が多岐にわたって出版されていることをはじめて知りました。もう少し手頃なものがあれば、手元に欲しいです。
posted by 作楽 at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(欧米文化) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする