2018年07月10日

「60分でわかる! 仮想通貨 ビットコイン & ブロックチェーン 最前線」

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仮想通貨ビジネス研究会 著
株式会社ブロックチェーンハブ 監修
技術評論社 出版

仮想通貨とブロックチェーン」を読んだあとなので、目新しいことは少なかったのですが、ブロックチェーンの機能のひとつを知って驚きました。

 それは『スマートコントラクト』という機能です。あらかじめ定められた条件に従って仮想資産を自動的に移転させる仕組みを『スマートコントラクト』というそうです。

「仮想通貨とブロックチェーン」では、ブロックチェーンの活用についてフィンテックを挙げていましたが、金融業界以外でも、エスクロー取引が求められるような場面は多いと思われるので、この『スマートコントラクト』は、今後期待できる機能ではないでしょうか。コストが障害になってエスクローは無理だという場面で『スマートコントラクト』が活用されれば、モノやお金の流れが変わるような気がしました。
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2018年07月09日

「リセット」

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北村 薫 著
新潮社 出版

スキップ」と同じく、時を巡って不思議なことが起こる作品です。

 ただ「スキップ」と違って、登場人物の感情に寄り添うことができました。その不思議なできごとが、わたしの身にふりかかったとしたら、登場人物と似たようなことを感じ、似たような行動をとったに違いないと思えました。

 それ以外にも「スキップ」より「リセット」のほうを好ましく思った理由があります。

 時が、第二次世界大戦中、戦後、現代と移り変わっていくなか、それぞれの時代で鍵となるモノや歌などが登場し、時代と時代が結びつけられるような仕掛けになっているのですが、そのつながりを辿っていくことが楽しかったことがひとつです。

 もうひとつは、辛く厳しい戦時下の淡い恋が、長い年月を経て実るという結末で、読後感が爽やかだったことです。

 ここでの「リセット」は、ゲーム慣れした子供たちが死を軽く「リセット」と呼ぶのとは違って、果たせなかった夢を果たすもう一度のチャンスのように、耳に心地よく響きました。
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2018年07月04日

「この一言で「YES」を引き出す格上の日本語」

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山口 謠司
幻冬舎 出版

 これまでに読んだ日本語をテーマにした本は、多いほうだと思います。そのほとんどは、誤用 (あるいは正しい日本語) といった観点で数々の単語が紹介されたものでした。それらと違ってこの本は、ふたつの単語のニュアンスの違いを理解するとか、単語の来し方や単語を構成する漢字の本来の意味を知るとかといった視点で書かれてあり、わたしの目には新鮮に映りました。

 たとえば『日本』。『にほん』とも『にっぽん』とも読みますが、読み方がこれまで決められてこなかったのはなぜか、といったことが、発音の移り変わりとともに説明されています。

 もともと『日本』は、700 年頃『ニェットプァン』と発音されていたと推測されるそうです。『日本』とは、唐王朝から名づけられた国名であり、中国語で読めばそういう音になるというのが根拠です。そして繰り返し発音され『ニッポン』に変化したのではないかと考えられています。それが 1000 年頃『パ、ピ、プ、ペ、ポ』という発音が『ファ、フィ、フゥ、フェ、フォ』と変わったのを機に『ニフォン』へと変化し、さらに江戸時代に現在とほぼ同じ『ニホン』になったとされています。

 そして昭和の時代、1934 年に『日本』の読み方を『ニッポン』に統一しようという動きがあったそうです。力強く響く国名にしたいという軍の意向から生まれた案です。しかし、皇室を中心とした和歌の世界が促音を嫌い、濁点や半濁点、促音のない世界こそが和語の伝統だと反対し、統一されませんでした。

 ありとあらゆる外来語をカタカナで日本語に取りこんでしまっているいま『和語の伝統』の意味を問いたい気分ですが、反対があったからと、国名の読み方をはっきりせずにここまで来たのは、いかにも日本らしいと思えました。

 この『日本』に限らず、それぞれ丁寧な解説で新しい発見がありました。ただ、タイトルにある『格上』という観点には、疑問を感じました。日本語のなかに格上も格下もないと思います。
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2018年07月03日

「判決の誤差」

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戸梶 圭太 著
双葉社 出版

「人を裁く準備はあるか?」「瞠目の法廷ミステリー」という帯に騙されてしまいました。こういうのをブラックユーモアというのかわかりませんが、下品な人々がひたすら下品に走る群像劇といったところです。

 裁判員制度は、裁判員になった人たちに相当の負担を強いるものであり、その裁判員がここまで茶化され続けるというのは、読後感が悪すぎました。この作家の作品はもう読まないと思います。
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2018年07月02日

「ピルビスエクサ」

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佐藤 志津香 著
幻冬舎 出版

 前かがみでパソコンに向かってしまう、足を組んで坐ってしまう、そういう習慣から姿勢が悪くなってしまい、なんとかしなくては……とは思っていたのですが、エクササイズが苦手な身としては、なかなか行動に移せずにいました。

 そんなわたしにとっても、この本に載っているエクササイズは難しいものではありませんし、畳の部屋やフローリングに敷くラグ・マットの類があれば、すぐ始められます。(100 ページほどの本のうち、エクササイズそのものを説明しているページは、半分もないほどです。)

 そうはいっても、なかなかその気になれませんでした。

 重い腰をあげる気になったのは、著者の写真が気になっていたからです。エクササイズを始める前と後では、見違えるほどの変化が見てとれました。そして実際に身体を動かしてみると、お通じに変化があらわれ、毎日とはいきませんが、しばらく続けてみようかという気になりました。
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