2020年09月26日

「医学統計の基礎のキソ 3」

20200926「医学統計の基礎のキソ 3」.jpg

浅井 隆 著
アトムス 出版

「医学統計の基礎のキソ 2」に続いて、シリーズ最終にあたる第 3 巻を読みました。カバーされている内容は、次のとおりです。

−選択基準 (inclusion criterion) と除外基準 (exclusion criterion)
−ランダム (無作為) 抽出区分 (random allocation)
−ランダム化比較研究 (randomized controlled trial:RCT)
−パワー分析 (power analysis)
−αエラー (α error) とβエラー (β error)
−ホーソン効果 (Hawthorne effect)
−プラセボ効果 (placebo effect)
−スタディグループ (study group) とコントロールグループ (control group)
−盲検化 (blinding)/マスキング (masking)
−二重盲検法 (double blind method) と一重盲検法 (single blind method)
−二重盲検ランダム化比較研究 (double-blind randomized controlled trial)
−コンソート声明 (CONSORT statement/Consolidated Standards of Reporting Trials statement statement)

 この中のパワー分析の power とは検出力を指しています。『差がある』のを、仮説検定で『有意差あり』として検出できる能力です。0.8 の場合、80% の確率で正しく有意差があると検出できます。

 これに関連する用語に、αエラーとβエラーがあります。前者は、『差がない』のに、仮説検定で『有意差あり』と誤った判定をすることで、後者は逆に『差がある』のに、仮説検定で『有意差なし』と誤った判定をすることです。

 医療で用いられる統計は、患者の治療に結びつくだけに、信頼性に関する情報は論文においても常にチェックするよう勧められています。実践的なシリーズ書籍だと思います。
posted by 作楽 at 21:00| Comment(0) | 和書(データ活用) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする