2021年07月21日

「身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本」

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河北 美紀 著
実務教育出版 出版

 親が要介護認定を受けてから 2 年ほど経ちますが、漠然とした不安を抱えています。介護を必要とする状況がどのような速さで変わっていくのか先のことがイメージできないことはもちろん、金銭面の不安もあります。これまではインターネットの情報を頼りに手探りで進んできましたが、ノウハウ本を読んでみるべきだったかも……と思ったのが読んだきっかけです。

 一番印象に残ったのは、介護する側が頑張りすぎて疲弊してしまうと介護される側も辛くなってしまうことです。そういったとき、適宜専門家を頼ることが大切なのだと納得できました。

 そのほか、知って気が楽になった知識がいくつかあります。一番身近な存在であるケアマネジャーさんと考え方が合わないときなどは、地域包括支援センターがや居宅介護支援事業者などにお願いすれば、変更できるそうです。また、急激な体調の変化から、介護認定の現状と合わなくなったときは、要介護度の区分変更申請をすれば、30 日以内に結果を出してもらえること、それも待てないときは、暫定ケアプランをケアマネジャーさんに立ててもらうことができるそうです。

 そして、いよいよ施設のお世話にならざるを得なくなったとき、誰もが直面するのは、特養の空きがないことだと思います。そういったとき、入所は緊急性の度合いに応じて決まるので、できるだけ詳しい状況を申込書に書くこと、幅広い地域を探してみること、それでも無理なときは、短期入所生活介護 (医療依存度が高い場合は、短期入所量要介護) を 30 日間継続して利用し、31 日目は全額自費として、その翌日からまた介護保険を利用して介護を受ける、ロングショート (ショートステイを長期間にわたって利用すること) を検討することなど、色々な方法を検討できるというのは心強く感じられました。もちろん、やむを得ない事情がある場合に限られますが、どうにもならないときも何かしら逃げ道が残されていると知ると、気が楽になりました。

 経済的な視点だけでなく、介護に関する包括的な知識を得られる良書だと思います。身近な人の介護が現実的になった方にお勧めしたい本です。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする