2021年08月06日

静穏の祈り

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 わたしにとって当たり前すぎることが延々と続き、途中で読むことを投げ出してしまった本に「それはあくまで偶然です」があります。トロント大学で統計学を専門にしているジェフリー・S・ローゼンタール教授が、何か行動を起こしたからといって、宝くじに当たる確率は変わらないといった、理論的には当然だと思えることを説明してくれる本です。

 最後まで読めなかったのですが、著者が深い感銘を受けてきたという『静穏の祈り』が最初のほうで紹介されていて、それには衝撃を受けました。『自分に変えられないことを静穏に受け入れる力と、変えられることを変える勇気と、両者の違いを知る知恵をお与えください』と神に願うものです。

 このみっつのものが手に入るのなら、わたしも神を信じるかもしれません。この祈りは、1932 年にラインホルド・二ーバーが書いたとされているそうです。この本で参照しているのは、The Chronicle of Higher Education の記事 Who Wrote the Serenity Prayer? です。

 この記事の著者 Fred R. Shapiro によると、『静穏の祈り』は、1932 年から 1933 年にわたって 5 つのバージョンが存在し、そのもっとも古いと著者が考えるバージョンから、ラインホルド・二ーバーが最初だったと立証されたようです。

 そうありたいと願う、心にしみる祈りだと思います。
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2021年08月05日

「Sleep, Sleep, Sleep」

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クリスティアン・ベネディクト (Christian Benedict)/ミンナ・トゥーンベリエル (Minna Tunberger) 著
鈴木・ファストアーベント・理恵 訳
サンマーク出版 出版

 睡眠について知りうるすべての興味深い事実を読者と共有することに本書の狙いがあると書かれてあるとおり、睡眠に関する話題が次々と登場します。なかでも驚いた事実がふたつありました。

 睡眠には、レム睡眠と第 1、第 2、第 3 ステージから成るノンレム睡眠の合計 4 ステージがあり、第 1 ステージは、全体のたった 5% しかなく、第 2 ステージが全体の 50% 〜 60% を占め、石のように眠る深睡眠に該当する第 3 ステージの大半は、睡眠の前半に見られます。

 驚いたことのひとつは、この深い眠りのあいだに行なわれる『シナプスのダウンスケーリング』というプロセスに関する仮説です。このプロセスは、新たに形成された神経細胞の接合 (シナプス) のうち、余分なつながりだと分類されたものを除去し、次の覚醒時にまた新しく物事を学び、処理するために必要な容量を確保します。

 その事実から導き出された仮説とは、頭をよく使う人は、新たに得た情報の処理に深い睡眠を多く必要とするため、深い睡眠の量が多いというものです。つまり、睡眠が短くなる高齢者であっても、頭を使い続けていれば、深い眠りを得られる可能性があるというわけです。

 もうひとつ驚いたことは、『テストステロン』という筋肉を作るうえできわめて重要な役割を果たすホルモンは、睡眠時間 5 時間の日が 1 週間続いただけで、血中濃度が 10%〜15% も低下することがわかっていて、身体組成が変化し、筋肉量が減少していくシニアは、睡眠不足を防ぎ、筋肉量の減少と脂肪量の増加を加速させないようにすべきだということです。

 この本を読めば読むほど睡眠の重要性を感じるようになりますが、必ずしも理想とする睡眠が簡単に手に入るとは限りません。そんなときは、熟睡しなければならないとプレッシャーを感じることなく、暗い部屋で横になり、外部からの情報を避けるだけで、脳はリラックスできると自分に言い聞かせることも大切だと著者は説いています。

 さらに、この『暗い』という点は重要で、睡眠ホルモンといわれる『メラトニン』は、部屋が明るすぎると分泌量が減少することがわかっていて、ほんのわずかな明かりでも影響があるそうです。今晩からは、眠れないときも、暗い部屋で休むようにしたいと思います。
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2021年08月04日

「オタク偉人伝」

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小川 晶子 著
のぶみ 絵
アスコム 出版

 総ルビの子供向けの本ですが、子供時代にフォーカスされた偉人たちの話を横断的に読めるので、大人でもこれまでと違った視点で楽しむことができると思います。

 このなかで第二次世界大戦後に生まれたのはスティーブ・ジョブズのみです。現代人から見ると、経済的にそう恵まれていない子供時代を過ごした偉人が意外に多かったように思います。

 発明王エジソンは、子供のころから実験が大好きで、その理解者であった母親に実験室をつくってもらいましたが、実験の材料や道具が足りず、列車内で新聞を売る仕事をたった 12 歳で始めました。しかも働いている列車内でも実験をしたというつわものです。

 また、後世に残る童話を数多く書いたアンデルセンの物語づくりの原点はお芝居にありましたが、貧しくてたまにしか芝居を見ることができませんでした。それで彼は、お芝居のビラをくばるおじさんと友達になり、一枚もらって帰ったビラを夢中で見て、どんなお話か想像していました。その後、お芝居の世界で役者になることを夢見ましたが、実現できず、物語をつくるという才能をいかして作家になったそうです。

 貧しさなどの障害を跳ね返していくパワーが偉人の要素のひとつなのは間違いないようです。
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