2021年10月22日
「精神科医が教える ストレスフリー超大全」
樺沢 紫苑 著
ダイヤモンド社 出版
在宅勤務疲れを感じていたこともあり、ベストセラーになっていた本書を読んでみました。『超大全』と謳っているだけあって、人間関係、プライベート、仕事、健康、メンタル、生き方など幅広いジャンルが取りあげられ、それぞれの分野でストレスになりそうな原因ごとに対処法がアドバイスされています。
頭の片隅というか、心のどこかで、そうしたほうがいいと思っていた対処法が多く、わたしにとっては、納得できるものでした。たとえば、『コンフォートゾーン (快適領域)』を出るべきという考え方です。いつも行く場所、いつも会う人、いつも食べるものではなく、初めての場所、人、イベント、お店などに出かけ、人生を楽しむべきかもしれないと思えました。
ただ、わたしにとって馴染みのない考え方もありました。それは、幸せには種類があり、著者は、次の@からBの順序で実現することを勧めています。
@『セロトニン』的幸福
『やすらぎ』『癒やし』『気分』の幸福感のことで、『健康』を実感する幸福と言い換えることができます。ポジティブで前向きな気分に包まれるなら、セロトニンが分泌されていて、逆に分泌されていないと、『不安』『心配』『イライラ』といった状態に陥ります。(心や体の病気になると、セロトニンは低下します。)
朝に散歩したり、マインドフルネスや腹式呼吸を実践したり、笑顔になると、セロトニン的幸福を手に入れることができるそうです。
A『オキシトシン』的幸福
『つながり』の幸福感のことです。
スキンシップ、コミュニケーション、ペットとの触れ合いなどを体験したり、人に親切にしたり、親切にされたときにもオキシトシンは分泌されます。
B『ドーパミン』的幸福
『やる気』による幸福感です。達成感や高揚感に関連しています。
社会的成功を手に入れたり、設定した目標を達成したり、運動したり、笑顔や瞑想によっても、ドーパミン的幸福を手に入れることができます。
著者は、Bドーパミン的幸福に囚われ過ぎると不幸になりかねないと注意を促しています。このように理論的に優先順位を考えたことはありませんでしたが、健康だからこそ、周囲に優しくすることもできるし、仕事なども頑張れることを考えると、こういった順位づけは大切かもしれません。