
加藤 俊徳 著
すばる舎 出版
『脳番地』という概念を考案した著者は、脳を機能ごとに部位を分け、それぞれ名前をつけています。全部で 120 もある脳番地のうち、いずれか未発達の脳番地があれば、やる気がわかない状態になるそうです。わたしたちの行動に特に強い影響を及ぼしているのは『思考系脳番地』、『視覚系脳番地』、『聴覚系脳番地』、『理解系脳番地』、『伝達系脳番地』、『記憶系脳番地』、『感情系脳番地』、『運動系脳番地』の 8 つです。
この本を読み、長期間にわたる外出自粛生活によって、脳のかなりの部分が衰えてきているのではないかと思うようになりました。特に、身体を動かす機会とリアルな会話をする機会が減ったことが大きく影響しているような気がしました。
たとえば、『聴覚系脳番地』は、コミュニケーションを通じて成長するそうです。ひとり暮らしだったり、人と会話する機会が少ない人は、聴覚系を意識的に鍛えていかないと、人の機微に疎くなってしまうと著者は説明します。しかも、映画などのコンテンツを観るより、リアルに人と会ったほうが、脳が活発に反応し、やる気なども起こるようになるそうです。
そして、この本を読もうと思ったきっかけ、やる気が出ないときはどうすべきかという問いに対する答えとしては、意外なことが書かれてありました。着手が遅い場合、『運動系脳番地』を鍛えるべきだというのです。ある程度ルーチンの、決まった身体の動き、運動量を確保することは絶対に必要だと著者は断言しています。
身体のキレが頭のキレに直結するという意外な答えは、いまのところ腑に落ちていませんが、ともかく、姿勢の歪み、運動不足、身体の痛みなどを排除すべく、心がけたいと思います。