2024年09月03日
「ほめ言葉の法則―心理カウンセラーが教える 101 のテクニック」
植西 聰 著
アスペクト 出版
わたしは、頼みごとなどの下心が見え隠れする褒めことばを言われても、素直に喜べません。そのため、下心がなくとも、下心があるような印象を相手に与えてしまうことを恐れて緊張するせいか、なかなかうまくひとを褒められません。
著者は、そういったときは、『より具体的に』褒めるよう勧めています。『文章が上手だね』ではなく、『テニヲハがしっかりしているし、文章全体のリズムがいいね』、あるいは『起承転結がしっかりしているね』といった具合です。これは、簡単に実践できそうな助言です。
また、褒められて当然のことは避けるべきだそうです。たとえば、東大生に対し、頭がいいとか、勉強ができるなどと褒めても、相手にとっては言われ慣れた褒めことばで、コミュニケーションを円滑にする役割は望めません。『東大生が歌やスポーツにある程度自信を持っていたら、「歌がうまいですね」「運動神経がいいんですね」』などと褒めることを勧めています。
著者は、『私は長年、人生相談を受けてきましたが、相談内容で最も多いのが、人間関係に関することでした』と書いています。わたしも、ひととのかかわりのなかで、どうすればいいのか、どうしたいのか、わからなくなることが多々あります。円滑なコミュニケーションには、褒めことばも重要な役割を果たすので、あまり身構えずに口に出せるようになりたいものです。