2008年06月12日

「Groosham Grange」

20080612[GrooshamGrange].jpg

Anthony Horowitz 著
Walker Books Ltd 出版

 Anthony Horowitzは、わたしが名前を憶えている数少ない外国人作家のひとりです。そのユーモアが好きで、今までも何冊か読んでいます。今回もAnthony Horowitzらしく、なんとも変わった家庭の子どもDavidが主人公です。

 まずDavidの両親が変わっています。父親は自分が受けたスパルタ教育を肯定し、息子にも同じように厳しくし、学業面で優秀な成績をおさめるよう強く言い張ります。父親はあまりの体罰から車椅子の生活になってしまったのに、同じことを繰り返そうとするのです。誇張の第一歩というところでしょうか。次に母親は、そんな夫に完全服従です。傷を負わされても、ただじっと耐えるのみです。

 そんな環境にいるDavidは、次々と学校から追放されてしまいます。そして、そんな中に舞い込んできたのが、ある全寮制の学校(Groosham Grange)からの勧誘。父親はその案内に飛びつき、その日のうちにDavidは学校に追い払われてしまいます。

 Davidが通うことになった学校は、海に隔たれ、船がなければどこにもいけない場所にあります。それだけでも一風変わっています。その上、この学校にはほかにも不思議なことがありました。まず、先生が普通の人間のように見えません。もう何百年も生きているように見える先生や陽の光に当たることができない先生などです。対する学生も変です。みな進んで勉強し、いじめなどがまったくありません。さらにおかしなことに、学生たちが名乗る名前とそれぞれの持ち物に書かれている名前が違うのです。なぜ、他人の名前を名乗るのでしょうか。あるいは、他人の名前が入った衣服を身に着けているのでしょうか。

 そうこうするうちに、学校の中に不思議な空間があることがわかります。そして、その空間に、全学生が夜中になると集まっているのです。彼らは何をしているのでしょうか。Davidは怖い目に遭いながらも、いろいろ調べあげていきます。そして、わかった学校の秘密。そこは、魔法使い育成所だったのです。

 今回も、怖い雰囲気を醸し出しつつユーモアも感じるAnthony Horowitzを楽しめました。最後のDavidの決断。わたしが子どもでも同じことをするだろうな、と思ってしまいました。
posted by 作楽 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Young Adult) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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