2009年02月05日

英国階級社会

 上智大学で受講している、「クィーンズイングリッシュで学ぶ現代英国事情」シリーズ。12回めの授業は「社会階級」でした。

 日本の士農工商やインドのカースト制度と比較しての講義になりました。英国では、以下のような階級認識だそうです。

−Upper Class
−Upper Middle Class
−Middle Class
−Lower Middle Class
−Working Class

 カースト制度との違いは、宗教や職業を基盤としない、階級を超えての結婚が(困難を伴っても)現実的には可能である点、属する階級を変えることが可能である点などです。英国でも職業によるある程度の階級差異はあるようですが、それよりも優先されることが多いようです。

 日本の士農工商は完全に過去のものですが、カースト制度は公としては廃止されていますが、今も根強く影響していると聞いたことがあります。そう考えると、英国はその中間に位置するということでしょうか。

 しかし、英国では(カースト制度ほどではなくても)歴然と階級があると感じたのは、階級の認識を国民が認識しているという話でした。たとえば、わたしがAさんにBさんの階級を訊いたとします。そのAさんが推測する階級とBさん自身に尋ねたときの答えは、基本的に同じだそうです。たとえば、Aさんが「Bさんは、Upper Middle Classだと思う」と答えれば、Bさん自身も「Upper Middle Classだ」と答えるそうです。ただ、Upper ClassやUpper Middle Classくらいだと、本人は言いにくい雰囲気を漂わせ、即答はしないそうです。しかし、それでも知りたがると、答えは同じになるそうです。わたしなどは、それだけで頭がクラクラしてしまいました。もし、わたしが、わたし自身のことを訊かれたら、中流と答えるでしょう。その上は上流でしょうか。それとも、セレブと呼ぶのでしょうか。

 英国の具体例として挙げられたのは、亡きダイアナ妃です。彼女はUpper Classだったそうです。また、サッチャー元首相は、Lower Middle Classの出身で、Upper Middle Classになったそうです。サッチャー元首相は、発音などを矯正したけれど、その生まれは隠せない(完璧な発音ではないという意味)と以前の講義で聞いたことを思い出しました。

 次は、具体的な階級の分類方法です。

1. Accent

 日本における地域差による方言ではないそうです。クラスの上から下への並びはこんな感じだそうです。

R.P.(Received Pronunciation)
Oxford English (大学に由来)
"Sloane Ranger" ("Sloane Square"と"Lone Ranger"の合成語。地域と時代を限定)
"BBC" English (英国放送のBBCで使われているものを指す)
Educated Scottish/Welsh/Irish
Yorkshire
Scouse(リバプールあたり)
Brummie(バーミンガムあたり)
Cockney(ロンドン)

「マイ・フェア・レイディ」の世界です。現代では、クラスレス社会を目指す動きがあり、上流階級の若い世代の方々は、家庭ではR.P.、外ではBBCのように使い分ける方も相当数いらっしゃるようです。(プリンスなど公務のある方などが一般市民に対して、R.P.を使わないのと似たようなもの)そういう新しい中間的なアクセントをESTUARY Englishと呼ばれるそうです。ロンドンに流れるテムズ川は、下町Essexと中流Kentを分けていて、その河口(estuary)から命名されたそうです。R.P.とCochneyの間ということでしょう。

2. Birth

 生まれは大きいです。上流社会出身が夫婦になった場合、苗字は両方がつくそうです。(逆に、苗字が2つで構成されていれば、上流階級)

3. School

 UpperおよびUpper Middle ClassはPublic Schoolに通い、MiddleおよびLower Middle Classだと、Grammar School。Working ClassだとSecondary Modernになることが多いそうです。ただ、英国の場合、貧しさが進学の妨げになることはないそうです。

4. Jobs/Professions

 学校が決まると、自ずと職業もある程度狭められますが。普通の医者(G.P.)ならMiddle Class前後、外科医ならUpper Middle Class前後となるようです。上記の要素もあるので、もちろん確定はできません。

5. Housing

 市の西側が上流側、市の東側が下流側といった傾向だそうです。英国は西側から風が吹き、煙突が林立した昔は、環境面で西側がよかったそうです。

6. Lifestyle

 服装や食事です。

 こういう枠を見ると、日本のほうが「やりなおしの利く社会」のような気がしてくるのは、わたしだけでしょうか。
posted by 作楽 at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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