この展覧会の一番の目玉は「ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)」。たしかに、果物の寄せ集めで顔を造る技にはだまされてしまいます。初来日だそうです。これと同じように魚の寄せ集めで顔を造った「水の寓意」というのもありましたが、やはり魚は魚。色目だけでなく、見た目の華やかさでは果物に遠く及ばず、長い時間眺めていたいものでもありませんでした。
果物や魚でそれらとまったく違うものを描写するのは、当展覧会では「イメージ詐術(トリック)の古典」という分類で紹介されていました。この古典という分類でわたしが一番驚いたのは、「ルドルフ2世、マクシミリアン2世、フェルディナント1世の三重肖像画」です。正面から見ると、ぼやけた人物像が3人見えます。しかし、角度を変え、左側から見るとルドルフ2世だけが、右側から見るとマクシミリアン2世とフェルディナント1世が見えるようになっています。制作年が1603年なのが驚きました。現代の感覚からすると難しい技術ではないかもしれませんが、400年も前にあったと思うと驚きです。
日本の作品では、歌川国芳が数多く紹介されていました。これは「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」です。結われた髪の部分まですべて人です。
だまし絵と聞いてわたしが一番に思い浮かべるエッシャーの作品も数点ありました。何度観てもだまされてしまう絵です。
そして、もうすぐ出口というところで、わたしがこの展覧会で一番だまされたのが「水の都」。パトリック・ヒューズの2008年の作品です。一緒に展覧会を観ていた人から「うしろを見て」と言われ、振り返ったらちょうどそこに「水の都」があり、正面から見える位置でした。少し位置を変えると水辺の建物が動くと言われ、首を左右に振ってみると、たしかに絵のなかの建物が動きます。不思議で仕方がありませんでしたが、斜めの角度から見ると、絵は平面ではありませんでした。建物の部分の表面が飛び出しています。正面から見ると、平らな絵にしか見えなかったのに、二度びっくり。どれも楽しいトリックでしたが、最後の最後に本当にだまされました。
ちなみに、以下はBunkamuraのドゥ マゴ パリの「奇想の王国 だまし絵」記念メニューです。野菜の寄せ集めで目も楽しませてもらえるランチでした。


関西では8月下旬に兵庫県立美術館であるようです。時間が取れれば行ってみたいです。
コメント、ありがとうございます。開催日や開催場所によって展示品が違います。お目当てがおありでしたら、事前に確認なさるのをおすすめします。