2010年04月15日

「Fifth Formers of St. Clare's」

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Enid Blyton 著
Egmont Books Ltd 出版

 「Claudine at St. Clare's」の続編。とうとう双子のパトリシアとイザベルも5年生です。4年生までは学年にひとつずつ放課後を過ごす部屋があったのですが、5年生になるとふたりに一部屋ずつ勉強部屋が割り当てられます。その一方で責任ある態度が求められ、後輩たちの手本になるべく努めなければならないのが、5年生です。

 この後輩たちの手本になる意味を履き違えてしまったミラベルは、高い授業料を払うことになってしまいます。上級生から選ばれるスポーツキャプテンになったミラベルは、すべての種目で自分の学校が優勝することを独断で目指し、体力や体格が劣る下級生にも厳しい練習を課します。また自分の立場を最大限利用して、週末のレジャーよりもスポーツミーティングを優先するよう全員に強制し、自身は試験を疎かにするなど学業そっちのけでスポーツだけに没頭します。その結果、下級生にも同級生にもそっぽを向かれ、学期末試験も落ちてしまいます。

 なんとも身につまされる話です。社会人になってもこういう暴走型の人はいます。しかし、権力や権限というものがつきまとう現実の会社組織とはちがって、ミラベルはみんなにそっぽを向かれたことで目を覚まし、友人に支えられ再生します。このシリーズを読むと、学校というところは社会の縮図だったのかもしれないと思います。(実際に学校に通っていたことは、頭が空っぽで何も考えていなかったのですが。)

 そのほかにも詩人を目指す新入生が入ってきたり、相変わらずいろいろある学校です。最後年末に、翌年の首席に双子がふたりとも選ばれることが決まります。その翌年というのが卒業年度になります。もう終わりが見えてきてしまいました。
posted by 作楽 at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Young Adult) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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