2010年12月08日

「キリストのクローン/新生」

20101208「キリストのクローン/新生」.jpg

ジェイムズ・ボーセニュー (James Beauseigneur) 著
田辺 千幸 訳
東京創元社 出版

「キリストのクローン」三部作の第一部です。タイトルにあるように、キリストのクローンがつくられるという物語です。そのクローンの彼が、普通の子供と同じように育てられ優秀な成績で学業を修めて成人したあと社会的に重要な役割を担って仕事をするだけの時間が流れます。そのあいだクローンの彼の身辺で大きな変化が訪れますが、同時に世界でも戦争や自然災害や国連大改革などさまざまなことが起こります。まるで、終末論にしたがって、ある地点に向かっているかのように。

 三部作がそれぞれ独立しながら連携するという構成ではないようで、この作品を読み終えたとき、長い序章が終わったという印象を受けました。第一部のなかで、異なる地域、異なる年代で起こったことが、たぶん第二部・第三部で収束していくのではないかと思います。

 三大宗教や旧・新約聖書についてほとんど何も知りませんが、この作品を愉しむのに何の支障もありませんでした。逆に、あまり詳しく知り過ぎていると、作品の細かな部分にひっかかって読みにくいくらいではないかと推察します。

 登場人物がとても多くそれぞれをきちんと追えているのか途中で不安になるくらいですが、それぞれがきちんと描き分けられていて、これから先この人々が交わりぶつかり合っていくさまを読みたいという期待がわきました。
posted by 作楽 at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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