2013年02月19日
「植物図鑑」
有川 浩 著
角川書店 出版
なかなかユニークな物語の始まり方です。なにしろ、普通のOLが道端でイケメン男性を拾ってしまうのですから。
植物図鑑のように植物に詳しいイケメン男性のイツキは、さやかのアパートにハウスキーパー役として居候することになります。そのあと、お決まりの恋愛ストーリーになるかと思いきや、イツキとさやかのふたり暮らしにまつわるエピソードが、野の花や山菜などに絡めて展開されるのです。出会っていきなり一緒に住み始める冒頭の展開に比べると、もどかしい感じがしないでもないですが、不思議と違和感はありません。
いままで目を向けることもなかった道端の草花に興味をもっていくさやかは、都会育ちには共感できる存在です。(土のある暮らしをしている人にとっては、そんなことも知らないのかという驚きの存在になるかもしれませんが。)
この本の巻頭には、登場する植物のカラー写真が掲載されて、読みながら確かめられるようになっています。どれも、華やかという言葉より可憐という言葉が似合う植物です。ストーリーも華やかさより安らぎを感じるものですが、わたしは好感をもちました。
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