2007年02月03日

「のぞき見トムとハットトリック」

20070203[NozokimiTomtoHatTrick].jpg

アルバート ジャック 著
仙名 紀 訳
小学館 出版

 "spill the beans"以来、英語の熟語やその語源に対する興味が続いているので、そういうことを日本語で調べられる本があればいいと思っていたところ、見つけてしまいました。「のぞき見トムとハットトリック」。

 タイトルだけを見ると、英語の熟語などの意味や語源が載っているようには思えませんが、OKなど誰でも知っているレベルの単語から、私などは見たことも聞いたこともないような熟語まで、難易度の幅があるフレーズの意味や由来が載っています。

 書かれている内容のひとつひとつ、熟語(単語)の意味や語源説明についての面白さは、満足です。ただ、私が思っているような使い方ができないのが、とても残念です。

 この本に載っている単語や熟語は、ジャンルごとに分けられています。具体的には、スポーツ、人名・地名、アメリカ、音楽・芝居・舞台、文学、飲食、職業、古代、聖書、言語、政治、法律、航海、戦争、狩猟、単純表現、その他です。そして、ある特定の熟語の意味を知りたいと思っても、辞書のようにひくことはできません。ジャンルから類推しようとしても、なかなかうまくいかないのです。

 つまり、本に収録されている熟語などをすでに知っていて、「へぇ、そういうところから、こういう意味で使われるようになったのか」と思いながら、前から順番に一通り読んで終り、という使い方をする方にとってはいいでしょう。しかし、英語の語彙を増やそうと頑張っている途中で、一度読んだ内容をまた参照したくなるような人には向かないつくりになっています。

 英語圏で英語で出版されている本の場合、読者の多くは英語の意味がわかっていると思います。一方、日本語圏で出版される英語に関する本の場合、読者の多くは英語が特別堪能というわけではないと思います。つまり、翻訳という作業を行うときに、読者も変わることを想定し、それに合わせた工夫はできないものでしょうか。翻訳というプロセスにおいて、地域文化に合わせるということも含まれれば、もっとよかったと思います。

 本を翻訳する、ということは、言葉を置き換える以上の意味があると再確認できる例だと思います。
posted by 作楽 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(英語/翻訳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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