2007年02月05日

"Wild-goose chase"

 『The Lucky Lottery』は、A to Z Mysteriesという、Dink、Josh、Ruth Roseの子供3人組が探偵になりきって事件を解決するシリーズのひとつです。絵が得意なJoshは犯人と思われるJoeという男の似顔絵を描いて、その人を知っている人がいないか聞いて回ります。聞かれた人はみな、見たことがあるけど、誰かわからないという感じの返答をします。そのうち、ある人がこう言うのです。その似顔絵はJoshに髭をつけたものだと。そこで、Joshは、キツネにつままれたような気分です。

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 Josh stared at his drawing. "So there is no Joe?"
 The woman behind the cart had been listening. "Sounds like you've been sent on a wild-goose chase," she said.
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 ここで私がひっかかったのは、"wild-goose chase."

 "Wild"は"野生の"、"goose"は"ガン"、"chase"は追いかける、という意味です。野生の雁を追いかけさせられていたということはどういうことでしょうか。

『新英和大辞典&新和英大辞典』の説明はこうです。

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1 (雲をつかむような)当てのない追求, 途方もない計画 (futile enterprise).
2 《廃》 変てこな追いかけっこ, いたちごっこ.
・If our wits run the wild-goose chase, I am done. 妙な知恵比べをしようというなら, 僕は抜けた (Shak., Romeo 2. 4. 71-72).
[《1592》 もとは先頭の馬が(ガンのようにあちこちに曲がりながら)走ったとおりのコースを別の馬が追いかけて行く競技のこと; 1 の意味は Dr. Johnson が「ガンのようにつかまえにくいものを追い求めること」と定義したことから]
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Scholastic Dictionary of Idioms』にも、その語源が載っていました。

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Origin: William Shakespeare used this famous phrase in his play Romeo and Juliet, and it's been widely used since about 1600. It's practically impossible to catch a wild goose. It's like trying to capture a greased pig or find a "needle in a haystack." It also may refer to a kind of horse race in which each horse had to follow the erratic course of the leader. Sucha race looks like wild geese following the leader in formation.
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 William Shakespeareがロミオとジュリエットの中でこの表現を用いて、1600年以降、一般的に使われるようになったようです。現実的には、野生のガンを捕まえることは難しいためにこういう表現になったという説もあれば、馬の競技が元になっているという説もあります。先頭の馬がでたらめな方向に進み、他の馬はそれぞれ先頭の馬を追いかけないといけないというもので、その様子は、隊を成して進むガンのように見える競技のことです。

 後者の説は、『新英和大辞典&新和英大辞典』と同じで、こちらの説のほうが有力のように見えます。ずいぶん面白い競技があったものだと思います。一部の富裕階級の時間潰しのようなものなのでしょうか。

 しかし、400年も歴史のあるイディオムとは思いませんでした。

○○出典○○

『The Lucky Lottery (A to Z Mysteries)』
著者: Ron Roy
出版社:Random House Childrens Books

『EPWING版CD-ROM 新英和大辞典&新和英大辞典』
出版社:研究社

Scholastic Dictionary of Idioms
著者: Marvin Terban
出版社:Scholastic Reference

posted by 作楽 at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 本で見つけた表現(英語) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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