![20070219[MamehonhenoShoutai].jpg](https://witch-sara.up.seesaa.net/image/200702195BMamehonhenoShoutai5D-thumbnail2.jpg)
桑原 宏 著
未来工房 出版
豆本は、聖書や辞書など常に持ち歩きたい本のサイズを小さくしたことが始まりだと言われています。そのため、単に本のサイズやその中の文字サイズを小さくしただけの本が豆本であって当然なわけです。
しかし、私個人が勝手に豆本に期待しているのは、"小さいゆえにかわいい"ということです。その上、その小さいサイズへの挑戦が感じられると、さらに嬉しくなってしまいます。
そういう気持ちを充分満足させられる作品が数多く、写真つきで紹介されているのが、この「豆本への招待」です。
昭和52年から平成6年にかけて、未来工房から出版された豆本が紹介されているのですが、写真が多用され、見ると欲しくなってしまうような豆本がたくさんあります。中でも、私が特別欲しいと思ったのは、ミニチュア家具シリーズです。小さな家具の中に豆本が収められているというもので、第T期5冊、第U期5冊、第V期5冊と合計で15冊にもなります。第T期は、机や本棚などの洋風家具、第U期は文机や鏡台などの和風家具、第V期は音シリーズです。おもしろいのは、音シリーズに便器が含まれていることです。私の一番のお気に入りは、第V期のジュークボックス。これは、「オルゴール美術館」で見た円盤が縦に格納されていて、コインを入れると音楽が鳴り出すタイプとそっくりにできています。
また、この未来工房の豆本は執筆陣が豪華で肉筆サイン入りというのが特徴的です。池田満寿夫氏、五木寛之氏、田辺聖子氏、藤本義一氏、水上勉氏、宮尾登美子氏、吉行淳之介氏という考えられないような顔ぶれです。
実物を手に取ることはできないだろうと思われる豆本ばかりですが、写真だけでも飽かずに眺めていられるものがページをめくるたびに現われます。
豆本が好きな方は、この本自体も希少性が高いので、図書館か古本屋で探して、ぜひ眺めてみてください。興味が湧いてくる1冊があるはずです。