2007年03月01日

「大人が絵本に涙する時」

20070301[OtonagaEhonniNamidasuruToki].jpg

柳田 邦男 著
平凡社 出版

 絵本は子供だけのものではありません。心が渇ききっている現代の大人に必要な潤いをもたらすものです。1箇月に2000円ずつ絵本に使っていけば、年間で14、5冊もの素晴らしい絵本に出合うことができます。ぜひ、こういう素晴らしい絵本を知ってもらいたい。

 そういう主張を6年も続けている著者の思いから選ばれた80冊が紹介されています。

 絵本には興味がなく、本屋に行っても絵本コーナーに立ち寄ることはなかった私ですが、最近、友人の日記で「あなたをずっとずっとあいしてる」を知り、実際に読んでみると、大人が絵本を読む楽しみが少しわかったように思います。たまたま「あなたをずっとずっとあいしてる」が私に合っていただけかもしれませんが、頭を通り越して、心にくる、といった感じでした。

 予算がどうの、売上がどうの、先の計画がどうの、という普段の頭で、本を読むと、この部分が冗長だとか陳腐だとか、発想は斬新だとか、時代の空気に合っているとか、そういう評価になりがちですが、絵本の場合、そういう理由を並べるより、ただ心で受け止め、せいぜい「よかった〜」とか「感動した〜」という言葉ともいえないほどの言葉を発している自分がいるように思います。

 この本を読んで、たまには絵本を手にとるのもいいかも、と思えました。私がこの中で一番心惹かれたのは、「アンジュール」。表紙が載っているのですが、そのしょぼんとしたような元気のない頭の垂れ方が気になる犬でした。
posted by 作楽 at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック