2007年04月13日

「道ありき―青春編」

20070413[MichiAriki-Seishunhen].jpg

三浦 綾子 著
新潮社 出版

 最近、女友だちと話していて、本の内容を思い出すことがありました。

 ガールフレンドが欲しいと思いながらもできない男性に、女性を紹介してくれないかと私が言われたときの話をしていたときです。私の女友だちはその男性を知っているので、「男の人によっかかりたいと思っている女の子ばっかりなのに、女の子が甘えられるような雰囲気を持ち合わせていないその人がガールフレンドを作るのは現実的にはムリなんじゃない」と、言いました。

 たしかに、先行きが不透明な今の時代、ひとりでは不安で、男性に頼りたいと思っている女性は多いと思います。そして、それを負担に思う男性も多く、自立した年上の女性と付き合う男性が増えているような気がします。

 いくつになっても、男女の愛がわかるようにはならない私ですが、どちらかがどちらかに頼るのが男女の愛なんでしょうか。

 そのとき、ある方がブログに書かれていたことを思い出しました。
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「ほんとうに人を愛するということは、その人が一人でいても生きていけるようにしてあげることだ。」

三浦綾子さんの『道ありき』という著作の一節らしいです。
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 私が読んだ「道ありき―青春編」には、三浦綾子さんの、戦時中の教員時代から37歳の結婚までのことが書かれています。その多くは、肺結核やカリエスに侵された闘病生活の間に起こったことです。前出のブログで引用されていたのは、三浦綾子さんがお付き合いされていた前川正さんの言葉で、彼は病気のため三浦綾子さんを残し亡くなりました。彼は、私などが想像もできないような深い愛で、三浦さんを見守っていたのだと思います。一方、当時の三浦さんのことは、次のように書かれています。
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 わたしのしあわせは、前川正という人間が存在するということにあった。それならば、やがて彼が去り、あるいは死別するかもしれない時がきた時、今立っている幸福の基盤は、あっけなく失われてしまうことになるではないかと、わたしは思った。
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 これは、どちらかというと、私の女友だちの言う、男性によっかかっている女性の考え方に近いのではないでしょうか。

 しかし、三浦さんは、その後いろいろなできごと、特に人との出会いや信仰との出会いにより、考え方が変わってきます。この本を読んでよかったと思う点は、その変わりゆくさまが、素直にしかも思慮深く書かれていて、共感する部分や得るものがとても多いことです。

 37歳で結婚した頃の彼女が考えていた愛は、たぶん簡単に語り尽くせるものではないでしょうが、男女のそれぞれの道が合流し、並んで続くようなものだったものではないでしょうか。

 少なくとも今の私にとって、男女の愛はそんな感じが理想のように思えてきます。
posted by 作楽 at 00:22| Comment(3) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちはー!

きょーこと申します。
楽しくブログやってます。

また遊びに来ます〜
Posted by きょーこ at 2007年04月13日 09:23
お久しぶりです。「道ありき―青春編」にあった言葉って、三浦さんとお付き合いしていた方の言葉だったのですね、ふむふむ。

「男女のそれぞれの道が合流し、並んで続くようなもの」

わたしにとっても、これが理想ですね。お互いの道が合流しながらも、それはあくまでそれぞれにとっての道であるような・・・そんな愛が。

でも、誰かを頼るってことも、他の誰かと結びつきをもつための、有効な方法であることも確かなので、時には軽く甘えてみるなんてことは全然してほしいな、なんてことも、特に女の子にたいしては、思ってしまうのです。だって、オトコって単純だから、たまに女の子に甘えられたりすると、「仕方ないなあ」なんて言いながらも、嬉々として手を貸してあげたくなるものですから。

なんてことを書きながら、やはり男女の愛は難しいなあ、なんてことを思うのでした。
Posted by nadmirer at 2007年04月14日 02:36
>きょーこ さん

コメント、ありがとうございます!ブログ拝見しました。ブランクがあったにも関わらず、続けていらっしゃるのを拝見すると、「えらいなぁ。継続は力なり!」と思います。

>nadmirer さん

本当にお久しぶりです。コメントありがとうございます。すごく嬉しいです。nadmirer さんの記事を思い出して書いたので、感慨深いです。

おまけに、三浦さんの名前を最初に「曽野さん」と間違えて、それをコピーし続けていたことにも、ハッと気づかされました。ありがとうございます!!

それに「誰かに頼る」大切さにも気づかせていただきました。私の場合、頼りすぎてしまうことを恐れる気持ちが強くて忘れがちです。

愛にはあまり縁がない身としては、やっぱり難しいです。

またブログを拝見して、いろいろ考える素を拝借させていただきます。
Posted by 作楽 at 2007年04月14日 03:15
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