2015年07月24日

「辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術」

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飯間 浩明 著
PHP研究所 出版

 三省堂国語辞典の編纂に携わっている著者が、日々どのようにことばを集め、それらに向き合っているかが、おぼろげながらわかってくる内容です。日本語を使いこなしていくうえで、著者なりに決めているルールがいくつか紹介されています。

<漢字と仮名の使い分けルール>

A. 「いつも文末に来ることば」「いつも文の最初に来ることば」は、基本的にひらがなで書く
たとえば、「〜事が出来る」ではなく「〜ことができる」、「〜様になる」ではなく「〜ようになる」という具合です。

B. 「むずかしい字」「みんなが読めないような字」は、できるだけひらがなで書く
たとえば、「繋がる」ではなく「つながる」と書くそうです。

 それでも迷うときは、漢字・仮名のいずれの表記がいいか示した、三省堂国語辞典のような辞書を使うという方法もあるそうです。どうやら、もともと当て字だった漢字などは、仮名で書いたほうがいいと記載されているようです。

<読点を打つルール>

1. 「出来事」と「出来事」の間に打つ
たとえば、
学校から帰ってから、彩ちゃんと渋谷へ映画を見に行ったが、つまらなかったので、途中で出てきて、カフェでずっと話していた。

2. 割り込んだ部分の直前に打つ
たとえば、
彩ちゃんが、フランスで修業したシェフのレストランに連れて行ってくれた。

2. は、読んでいる途中で、彩ちゃんがフランスで修業したかのように(読み手に)誤解させる心配がなくなるので、合理的なルールだと納得しました。1. のほうは、少し読点が多すぎる気がするのですが、このルールを読んだあとでは、どの読点を削るか悩みます。やはり出来事ごとに打つのは妥当なのでしょうか。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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