![20070524[DetectiveLaRue-LettersFromTheInvestigation].jpg](https://witch-sara.up.seesaa.net/image/200705245BDetectiveLaRue-LettersFromTheInvestigation5D-thumbnail2.jpg)
Mark Teague 文・絵
Scholastic Inc. 出版
私が見た数少ない英語の絵本の中では、「あと47万語で100万語!」で紹介した「Bunnicula」シリーズがダントツで見ていて飽きないかわいさだったのですが、それに匹敵するくらい飽きない絵本を見つけてしまいました。
Ikeという犬が主人公です。LaRue家がフランスにバケーションに行っている間、残されたIkeは猫を2匹誘拐した容疑で警察に留置されてしまいます。Ikeは警察から、フランスにいるMrs. LaRueに手紙を送ります。絵本のおもな内容は、その手紙と猫2匹の誘拐事件に関する新聞記事です。
Ikeの表情がなんとも豊かで、細かいところを見始めると、時間が経つのを忘れてしまいます。
たとえば、Ikeがしかめっつらで葉巻をくわえタイプライターに向かっているところなど、笑えます。でもよくよく見ると葉巻ではなく、骨だったりします。そしてその近くにテーブルには、ドーナツが箱ごとドンと置かれています。アメリカの刑事ドラマなどで、警察関係者がドーナツを買いに行ったりしているシーンをよく見たのを思い出します。
こう見ていくと、この絵本、大人向けかと思う点があります。まず、使われている単語が、ネイティブの子供でも、幼稚園児や小学校入りたての年代には難し過ぎるように感じます。内容もシニカルな部分が多いですし、出てくるものも古いのです。タイプライターも今どきこんなのあるのかという古めかしいタイプですし、電話も黒くてダイアル式です。絵本の原作自体が古いだけかもしれませんが、あまり子供向けといった感じはしません。大人が一緒に読んで適宜説明を加えながら、子供はIkeやその周辺キャラクターを見て楽しむということを想定しているのかもしれません。
大人の場合、かわいいものが好きな方や絵の隅にある細かいおまけを見つけるのが好きな方には、息抜きのためぜひ手にとって欲しい絵本です。