
小山 薫堂 著
幻冬舎 出版
普段あまり使われない日本語、著者がちょっといいなと思ったことばを使って、短い恋のお話が仕立てられています。
<<<<<
同窓会で、
昔のボーイフレンドと再会した。
帰る方向が一緒だったので、
タクシーでうちの前まで送ってもらった。
でも、着いたところで……
今の彼と偶然、はちあわせ。
彼は「今のは誰?」と
私に尋ねることもなく、
ただ、「おかえり」と笑顔で迎えてくれた。
私は彼の、そんなところが大好きだ。
>>>>>
このお話ができたのは、『赤心』ということばから。赤心は、「偽りのない心。人を心から信用して、 全く疑わない心」。
とてもシンプル。世の中すべてがこれほどまっすぐならいいのに、と思うくらいに。