2019年10月07日

「つながりに息苦しさを感じたら読む本」

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村上 剛 著
セルバ出版 出版

 サブタイトルとして「心が 9 割ホッとするコミュニケーションスタイル」と書かれていますが、これはこの本の内容をあらわしていないと思います。

 NLP University 認定マスタートレーナーという著者の立場から推察すると、NLP のあれこれを伝えるため、この本を書かれたのでしょう。しかし残念なことに、その幅広い知識が細切れに披露されるだけで、コミュニケーションの改善に絞った適切な助言にはなっていません。

 ただその細切れの知識のなかに、納得できる点がいくつかありました。

 そのひとつが『表象システム』です。視覚優位、聴覚優位、体感覚優位にわかれ、それぞれ行動、思考、価値観などの観点から異なるそうです。この本の内容を読む限り、わたしは、聴覚優位に該当するようです。

 聴覚優位の場合、思考が論理的で思考パターンは情報の配列となり、長所は、話の筋が通っている、言語に対し厳密で定義づける傾向があるそうです。短所は、柔軟性に乏しく、コンピュータのようだとのことです。

 視覚優位の場合、思考が直感的で情報の全体な統合を得意とし、長所は、頭の回転が速く、絵画的表現に優れ、モデリングが得意ということです。短所は、話題が飛びがちで、非難が多く、憶測や歪曲も多いそうです。

 体感覚優位の場合、思考が感覚的・情緒的で、情報を現実化する傾向があり、長所は、情け深く優しく、鋭敏な身体感覚を持ち、共感性が高いところです。短所は、感情に取り込まれやすい点です。

 自分を再確認し、他者との違いを把握するのに、この『表象システム』は、役立つように思いました。ただこの差異を越えて良いコミュニケーションを取るにはどうすればいいのかという観点からの記載がなく残念でした。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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