2020年09月23日
「医学統計の基礎のキソ 2」
浅井 隆 著
アトムス 出版
「医学統計の基礎のキソ 1」に続いて、シリーズ 2 巻目も読んでみました。カバーされている内容は以下のとおりです。
−観察研究 (observational study) と介入研究 (interventional study)
−後ろ向き研究 (retrospective study) と前向き研究 (prospective study)
−ケース・コントロール研究 (case-control study) とコホート研究 (cohort study)
−対象者間比較 (inter-subjective comparison) と対象者内比較 (intra-subjective comparison)/クロスオーバー研究 (cross-over study)
−生存率曲線 (survival curve) /カプラン・マイヤー曲線 (Kaplan-Meier curve)
−相関係数 (correlation coefficient)/ピアソンの r (Peason's r)
−感度 (sensitivity) と特異度 (specificity)
−陽性的中率 (positive predictive value) と陰性的中率 (negativee predictive value)
−相対危険度 (relative risk:RR)/リスク比 (risk ration) とオッズ比 (odds ratio:OR)
−NNT (number needed to treat)
シリーズ 1 巻目に比べて、統計を使う場面が医療中心に移ってきた印象を受けました。たとえば、感度や特異度は役に立たないとし、陽性的中率や陰性的中率が紹介されている点などです。医療の現場の視点で感度や特異度を見たことがなかったので、新鮮でした。
少しネット検索してみたところ、わかりやすい図がありました。
同様に、NNT という用語も知らずにいたので、参考になりました。NNT は、治療効果を得るのに必要な人数のことで、値が小さいほど治療が有効な確率が高いと判断できる指標です。ふたつの薬をふたつのグループに対して投与し、その結果を比べるという場合、帰無仮説を利用し、有意差を確認後、平均、標準偏差、信頼区間などの差を見るのだと想像していましたが、たしかに NNT のほうがずっと実際的です。
医学統計は、知識も経験もまったくないので、基礎のキソでも学ぶべきことが多くありました。
【出典】
つねぴーblog@内科専攻医
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