2021年11月28日

「証券業界のしくみとビジネスがこれ 1 冊でしっかりわかる教科書」

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土信田 雅之 監修
技術評論社 出版

 証券会社のビジネスモデルを俯瞰したいと思って読んだのですが、業界の全体像を把握するには向かない内容でした。ただ、全体ではなく一部分、つまり面ではなく点を理解するには、わかりやすい説明が随所に見られたと思います。

 これまでの疑問が解けたのは、投資銀行業務 (『インベストメント・バンキング業務』と呼ばれることもあります) の業務内容です。一般消費者を相手とする『リテール部門』と異なり、国や自治体、大手法人 (機関投資家など) 向けの事業『ホールセール部門』では、『投資銀行業務』、『ディーリング業務』、『セールス業務』、『ストラクチャリング業務』などが執り行われていますが、このうち『投資銀行業務』については、何をしているのか、具体的なイメージがありませんでした。この本では、@企業の合併や買収の支援 (企業価値の計算、買収先企業との交渉、デューデリジェンスなど)、A株式・債券のアンダーライティング業務が主な業務だと説明されていました。

 そのほか、英米では一般的な概念『fiduciary duty』は、日本語において『フィデューシャリー・デューティー』というカタカナ表記が一般的になっていると知ることもできました。この本では次のように説明されています。
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 2014 年に金融庁が「平成 26 事務年度金融モニタリング基本指針」のなかで初めて扱ったことで話題となった言葉で、顧客本位の業務運営を指す。金融機関は資産を預けている顧客に対して、利益を最大限にするために注意と忠実を尽くす義務があるという意味で使われた。日本語では『受託者責任』または『信任義務』と訳される。
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 なんでもカタカナにして取り入れるというのは安易だという気がしないでもありませんが、それでも、何を指しているのかぴったりと認識が合うという利点は見逃せませんし、これからは、『フィデューシャリー・デューティー』という用語を使っていくと思います。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | 和書(経済・金融・会計) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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