
加藤 伸二 作
倉田 ちよ 絵
スマーティブ 出版
表紙に『プログラミング教育のエッセンスが詰まった絵本』とあります。プログラム実行環境を個人で用意するのが現実的ではなかった時代に生まれた身としては、絵本でプログラミングの基本要素を学ぶ時代になったのかと驚かされました。
絵本のなかでは、「れい」と「いちか」のきょうだいが、裏山に冒険に出かけ、家に帰るまでが書かれています。(絵本の王道パターンである『行って帰る』物語です。)
ふたりは、森のなかで様々な仕掛け (まほうのトンネル) に遭遇し、試行錯誤を繰り返しながら、それぞれの仕掛けの法則を見つけだします。どの仕掛けにもインとアウトがあり、全体がアルゴリズムに見立てられているように感じました。
また、プログラムの 3 つの制御構造、『順次』(仕掛けを順番に試しています)『分岐』(ボタンを押すことによって、アウトプットが変わる仕掛けがあります)『繰り返し』(条件が満たされて初めて、アウトプットを得られる仕掛けがあります) の要素も盛り込まれていて、プログラムらしさも感じました。
プログラミングに求められる要素を子供に伝えるための工夫が見てとれた気がします。