2022年08月30日

「「お金の流れ」がたった 1 つの図法でぜんぶわかる 会計の地図」

20220830「会計の地図」.jpg

近藤 哲朗/沖山 誠 著
岩谷 誠治 監修
ダイヤモンド社 出版

『会計の地図』とは、企業業績を知る際に鍵となる用語が図式化されたものです。さまざまな数字の位置づけ (ほかとの関係性) を見える化して理解につなげる意図があるようです。具体的には、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の財務 3 表を基本に、売上、費用、利益、資産、負債、純資産、現金、時価総額、のれん、PBR、ROE が取りあげられています。

 株式投資が身近な人と違って、わたしは、ROE の長所も短所もわかっていませんでしたが、この本を読んで初めてその意味がわかった気がしました。ROE が次のようが分解されていて、収益性をあらわす売上高当期純利益率、効率性をあらわす総資産回転率、安全性をあらわす財務レバレッジを一度に見ているようなものだとわかり、その長所がわかりました。

20220830「会計の地図」1.png

 その ROE 分解図が、ソフトバンク、NTT ドコモ、KDDI の数字をもって次のように比較されると、ROE という指標は、負債を増やすことによって、意図的に操作することも可能だと理解できます。(ソフトバンクは、同業他社に比べて、負債が多いため、財務レバレッジの数字が大きく、結果的に ROE も高い数字になっています。)

20220830「会計の地図」2.png

 著者は、「ROE は、あくまで短期的な企業の価値を測る指標として、とても有効」だとしつつ、ROIC という指標も紹介しています。ROIC は、「企業が事業活動のために投じた資金を使って、どれだけ利益を生み出したか」を示す指標ですが、理解するのが難しいそうです。

 企業業績がわかる数字を多角的に見られるようになるメリットを実感できました。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(経済・金融・会計) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック