
知念 くにこ 著
つた書房 出版
成果が出るチームをつくるというのは、それこそ言うは易く行うは難しで、試行錯誤しながらチームの特性やメンバーに合わせて進めていくしかないと、わたしは思います。そういった経験をいくらか積んだ身として振り返ってみると、重要だったと思い当たることが、この本でいくつか指摘されていて、この本にあるような知識を試行錯誤の前に身につけておくことは大切だと思いました。
生き残れるチームとして、著者は、5 つのポイントをあげています。
@ 目的を共有すること
A 5 〜 10 名ほどの小さい単位であること
B スピードを重視すること
C 個の学びをチームの学びにすること
D メンバーが主体的に動くこと
いずれも重要ですが、わたしは特にBが難しかったと感じています。原因は、失敗を恐れすぎる、失敗を認めにくいことにあるのではないかと推測しています。行動のないところに失敗はありませんし、慎重になりすぎてしまい、スピードで負けてしまうことはありがちだと思うのです。
変化に対応し、新しい未来を築くリーダーに共通する行動として、著者は、ウォレン・ベニスがあげた項目を紹介しています。そのなかに『間違いを認める』があげられています。これは、上記のCにも通じると思います。リーダーであれ、リーダーを支えるフォロワーであれ、失敗などを認め、そこから学び、組織として対処していくことは、変化に対応しつつ迅速に進むために不可欠ではないかと思いました。
この本 1 冊で成果が出るチームをつくれるわけではありませんが、広く浅く要点がまとめられているように思えました。