2025年07月08日

「すぐやる脳」

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菅原 道仁 著
サンマーク出版 出版

 すべきことに取り掛かれない自分をずっと不甲斐なく思ってきましたが、万人の脳がそうできているのだと、この本で学べました。人間を含む生物にとって、『「エネルギーを使う」という状態は、最も避けたい状態』なのです。そのため、『脳が「じっとしていよう」「エネルギーを節約しよう」というモードに自動的に』戻ってしまうようです。

 また、日本人の脳は、遺伝的に挑戦を避けやすくできているそうです。「幸せホルモン」という別名をもつホルモン、セロトニンが『十分に分泌されていると、安心感を覚えたり、幸せを感じたり、やる気をうまく出したりすることができ』、『新しいことを恐れず、大胆な挑戦をしやすくなります』。この『セロトニンの量の調節に関わるのが、「セロトニントランスポーター」(serotonin transporter) という遺伝子です』。「不安遺伝子」とも呼ばれるこの遺伝子の数が多いと『セロトニンを多く使い回せるため、安心感を覚えやすくなります』。残念なことに、『この「セロトニントランスポーターの数が少ない人」の割合が、世界でいちばん多い』のは、日本人だそうです。いろんなことに尻込みしてしまうわたしの性分も日本人らしい遺伝子を受け継いでいるせいかもしれません。

 だからといって、やる気を出せないわけではありません。やる気を出すための著者の助言のなかで、わたしが取り入れたいと思う方法がふたつありました。ひとつは、「ミラーニューロン」(mirror neuron) を活用する方法です。『ミラーニューロンとは、目にした相手の言動を、あたかも「自分自身の言動」であるかのように「共鳴してしまう」運動神経細胞』です。「ものまね細胞」と称されることもあるそうです。この細胞のおかげで、『周囲の人の行動に知らず知らずのうちに影響を受けて行動する、ということ』が研究で明らかになっているそうです。こうありたいと憧れる人物のそばに身をおけば、その人物のようになれる可能性が高まるのです。たしかに、自らの力だけに頼っても、挫折を繰り返してしまう気がします。環境の力も借り、違う自分になればいいのです。

 もうひとつは、「続ける」ためのコツです。三日坊主にならないためには、『「キリの悪いところ」でやめる方法』が有効だそうです。『あえて中途半端なところで終わらせる』と『「続きをやりたい」という欲求が強くなり、翌日にそれをできたことが脳への報酬になってドーパミンを放出』。結果、幸福感を得られるというわけです。こんなに簡単な方法で継続できるのなら、試してみる価値はあります。

 脳科学の本は、いつ読んでも興味深く、自分の脳すら知らずにここまできたことを痛感します。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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