この表現を見つけたのは、『Charlie And The Chocolate Factory』。
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"Is all this really true?" he asked. "Or are you pulling my leg?"
"It's true!" cried all four of the old people at once. "Of course it's true! Ask anyone you like!"
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前後から、"pull one's leg"が、担がれているとかだまされているとか、そういうニュアンスだとわかります。
『Scholastic Dictionary of Idioms』には、次の説明がありました。
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Pull your leg
Meaning:
to tease or fool someone; to jokingly try to lie to somebody
Origin:
By the late 1800s people sometimes tripped other people by catching their legs with a cane or running a string a across the sidewalk. Sometimes it was just for fun; at other times robbers did it to steal from the victim after he or she had fallen.
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杖やひもなどで、ひとの足をひっかけて転ばせてしまう、といういたずらがもとで、からかうという意味が生まれたようです。でも、子どもの頃をふりかえってみても、そういういたずらをされた記憶がないです。もちろん、自分もしたことがないですし。私の感覚では、笑えるような冗談でもいたずらでもない気がします。
『のぞき見トムとハットトリック』では、同じような表現が能動態で書かれていました。
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having their leg pulled
→担がれる
「足を引っぱられる」というのは、「だまされる」「ジョークで担がれる」ことを意味する。1867年以後スコットランドの詩に現れる次のような一節が、その起源になっているように思える。
「彼(カーク師)は説教し、しかるのちに老メグおばさんの足を引っぱり、彼女が死んでいることを会衆に示した」
老メグおばさんは、罪を犯したため絞首刑に処せられた。牧師はおばさんの両足を引っぱってみて、おばさんがあまり苦しまずに即死したことを確信した。メグおばさんは、さんざんだまされ、ごまかされていたことで知られている。それなのに、濡れ衣を着せられて処刑された。彼女の足を引っぱって見せたのは、だまされた結果の総決算だ、とだれもが信じた。
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19世紀頃という時期については、『Scholastic Dictionary of Idioms』とほぼ同じですが、起源説は違っています。
しかし、足を引っぱって生死を確認するというのもどうでしょうか。なんとなく、ぴんときません。息をしているかをみるとか脈をとるとかではないんですね。しかし、だまされた結果の総決算に足を引っぱられるというのも、気の毒な話です。
起源ははっきりしないようですが、現代において使われている意味が日本語とあまりに違うので、印象に残るフレーズです。
○○出典○○
『Charlie And The Chocolate Factory』
著者: Roald Dahl
出版社:Puffin
『Scholastic Dictionary of Idioms』
著者: Marvin Terban
出版社:Scholastic Reference
『のぞき見トムとハットトリック』
著者: アルバート ジャック
翻訳: 仙名 紀
出版社:小学館