
わたしにとって当たり前すぎることが延々と続き、途中で読むことを投げ出してしまった本に「それはあくまで偶然です」があります。トロント大学で統計学を専門にしているジェフリー・S・ローゼンタール教授が、何か行動を起こしたからといって、宝くじに当たる確率は変わらないといった、理論的には当然だと思えることを説明してくれる本です。
最後まで読めなかったのですが、著者が深い感銘を受けてきたという『静穏の祈り』が最初のほうで紹介されていて、それには衝撃を受けました。『自分に変えられないことを静穏に受け入れる力と、変えられることを変える勇気と、両者の違いを知る知恵をお与えください』と神に願うものです。
このみっつのものが手に入るのなら、わたしも神を信じるかもしれません。この祈りは、1932 年にラインホルド・二ーバーが書いたとされているそうです。この本で参照しているのは、The Chronicle of Higher Education の記事 Who Wrote the Serenity Prayer? です。
この記事の著者 Fred R. Shapiro によると、『静穏の祈り』は、1932 年から 1933 年にわたって 5 つのバージョンが存在し、そのもっとも古いと著者が考えるバージョンから、ラインホルド・二ーバーが最初だったと立証されたようです。
そうありたいと願う、心にしみる祈りだと思います。