2006年06月14日

「神田神保町古書街―エリア別完全ガイド」

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毎日新聞社 出版

 関西から関東に引っ越してきて、「そんなに集まらなくても・・・」と思ったのが、月島のもんじゃ焼き屋と神保町の古本屋。同じお店がここまで大規模で集まっているのを見るのは初めてだったので、圧倒されました。

 特に、月島の地下鉄の駅から上がってすぐのところで、「お店はお決まりですか?よかったら、ご紹介します。」と元気よく声を掛ける人々には驚きました。つい、「え?あ、いえ。」みたいな、訳のわからない返事を返してしまい、結局は、なんとなく繁盛してそうな雰囲気のお店に吸い込まれてしまいます。

 一方、神保町では、駅に近いところから、一軒一軒、お店を覗いてしまいます。でも、欲しい本に巡り合うまでに、足が棒になって、「こんなにたくさんお店があっても、好きな本があるお店がわからないと、お店がないのとあまり変わらないなぁ。」とへたり込みそうになってしまいます。

 この「神田神保町古書街」は、そんな私が神保町で見つけたガイドブックです。それぞれのお店が得意とする分野やこだわりが、紹介されています。私が探していた本を扱うお店もこのガイドブックで見つけました。各本屋紹介や古書街マップのほか、古本屋に関連する読み物もあり、楽しめます。中でも、「神保町古書街看板娘 VS マドンナ対談」という若手女性の対談では、色々古本屋さんの事情が垣間見れます。私が「そうそう」と強く頷いてしまったのは、古本屋には、週末は休むし、夕方は早く閉めるし、普通の会社員が行けない店が多い、というものでした。

 「そうだ、そうだ。もっと商売っ気を出して、土日も夜も営業して、月島みたいに探しているお店を案内するくらいのサービスを考えてー。ガイドブックなんか売らないで〜。」と心の中で叫んでから、気が付きました。
 あ、本を売るのが商売だから、それでいいんだ。
posted by 作楽 at 21:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 和書(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

「本屋大賞2006」

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本の雑誌編集部
本の雑誌社 出版

 日本のバブルがはじけたとき、私は情報システム産業でシステムエンジニアと呼ばれる仕事をしていました。なんとか1人前の仕事はできるけど、まだまだ駆け出しで、給料も最低ライン。労働組合に入っている典型的な平社員でした。こんな私が会社の人員整理対象になるなんてことはありません。でも、私の周りでは人員整理は行なわれました。整理を決めた方の中には、クライアントの中から比較的人員の多い情報システム部署を持つ企業に対し、システム開発ノウハウのある整理対象者を受け入れてもらえないか調整していた方も居ました。しかし、実際に受け入れ先が見つかりそうな方の中には、その申し出を断ってコンビニエンスストアのフランチャイズオーナーになられた方もいらっしゃったと聞きました。

 システムエンジニアといえば、3K職種で、長く続けられない仕事のひとつです。日本経済が右肩上がりの成長期には、システムエンジニアの次は管理職、と漠然と考えられていましたが、バブルがはじけたとき、それはありえないと、末端の私でさえ思いました。お金を貯めたら、コンビニエンスストアの店長になれるかもしれないけど、潰さないようにやっていけないだろうなぁ、などと思ったことを覚えています。「いつ」「どこへ」「どうやって」キャリアチェンジしていくのか、この大きな課題がこの時以降ずっしりと重く私の心の隅に居座り続けるのでした。

 この本屋大賞というのは、本屋が売りたいと思う本、という視点から現役の書店員が選ぶ大賞です。そういう説明だと、売れている本と本屋が売りたい本は別、という主張をなんとなく想像してしまうのですが、2006年に1位から11位にランキングされている本を見る限り、売れている本と売りたい本に大きな差はないと結論付けてしまいそうになります。この本の内容としては、まず、ランク入りした本に対する書評(現役書店員の投票にあるコメント)がこれでもか、というくらい載っています。次に得票数は少ないもののぜひ紹介したい本に対する書評があります。どれも一個人としての感想で、一読者として参考になります。

 そのほかで、私が個人的に興味を惹かれたのは、紙幅は本当に限られているのですが、この大賞に対して投票した書店員の方々についての紹介です。大体男女同数の割合で、年齢は20代および30代中心になっています。書店員の低い賃金では40代以降も働き続けることは難しい環境下にあるのだとか。書店員もシステムエンジニアと同じく、中高年になっても続けるのは困難な職種なのだと意外な本で知りました。

書店員の方々はどんなところへ、どうやってキャリアチェンジをされていくのでしょうか。
posted by 作楽 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする