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Tedd Arnold 絵・文
Puffin 出版
"put one's foot in one's mouth" (="put one's foot in it") のような、体の一部(parts)が熟語になっているのは、英語では珍しいものではありません。
日本語でも、値段が高さが話題になるとき、「目が飛び出る」などの表現を使います。また、企業において、社長を補佐する重要なポジションに就いたとき、「社長の右腕になる」などと言うこともあります。もしこれらを、それぞれの単語を単純につなげた意味で想像すると怖いです。目が飛び出て、ころんころんと転がっていったり。社長の右の腕が、目、鼻、口などを持った人間だったり。
この三部作の絵本では、子供が大人の会話を聞き、熟語とは知らず、個別の単語から想像したイメージに膨らませて、怖いものリストをつくるという設定になっています。熟語を体の一部に絞っているためか、どれも、おもしろい絵になってます。たとえば、"put one's foot in one's mouth"だと、口の中から、足の先が見えていて、本人は冷や汗をかいている、といった様子です。
この絵本の中では、それぞれの熟語の意味は説明されていません。たぶん、大人と一緒に読んで、大人が説明してあげたり、もう少し年齢が上の子の場合、自分で調べてみようとしたりするのかもしれません。
大人の私が見ると、それぞれの絵を見て、「たしかにそうだけど」と苦笑したり、中には、「あっぱれ」と大笑いしたり、楽しめます。
特に、パート3の「Even More Parts」では、これでもか、というくらい体の一部を使った熟語が並びます。
−I lost my head.
−I keep changing my mind.
−I want all eyes on me!
−My ears are burning.
−My nose is running.
−I'm tongue-tied.
−Don't give me any of your lip!
−I have a frog in my throad.
−I sang my heart out.
−My stomach is growling.
−Please lend me a hand.
−It cost an arm and a leg.
−I put my foot in my mouth.
−I'd better toe the line.
−I made my skin crawl.
−I got all bent out of shape.
−I went to pieces.
最後の"I went to pieces"なんて、体がみんなバラバラになってしまって、これでもか、といった感じです。
意味を知っている熟語でも、知らない熟語でも、このデフォルメの激しい絵を見ると、笑ってしまいます。